みなさま、こんにちは。

夏が来たかというほど暑かったかと思いきや、ぐっと涼しくなったりと、このところ定まらないお天気ですが、いかがお過ごしですか?
今頃風邪をひいたりしては悔しいので、寒暖の差に気をつけて過ごしたい今日この頃です。

さて、今日はtvNで6月2日から放送されている新番組『知っておいても役に立たない神秘的な雑学辞典』について取り上げてみようと思います。


書こうと思っているうちに終わってしまった『ユン食堂』。
でも幸いなことに、日本でも早々今月中にはM-netで放送が始まるようですね。
『ユン食堂』、本当に面白くて、終わってしまったら何を楽しみに生きればいいのかと思っていたのですが、私の中ではこの上なく楽しいナPDの新番組がまた始まってくれました。

番組名は“알아두면 쓸데없는 신비로운 잡학사전”.
意味は『知っておいても役に立たない神秘的な雑学辞典』。
っていうか、タイトルが長いよ!(笑)

あまりのタイトルの長さに、韓国では“알쓸신잡/アシンジャ”と短縮されて呼ばれているのですが。

訳しようがありません。
無理に短縮するなら「知役神雑」?
・・・・・・意味不明。(笑)


とまぁ、どう考えても私がここで書くのにまったく適していない番組なんです。
こんな書きづらいものに今手を出している自分に、「やめとけ」の声、脳内にこだましないでもないのですが、とりあえず1話について書いてみます。書き続けるかは、後から考えます。(笑)


この番組、まずポスターはこんな感じ。










恐らくみなさまが見てお分かりになるのは、ユ・ヒヨルさんくらいですよね?

いわゆる芸能人、ゼロ。

なんですが、『ユン食堂』で初めて番宣を見たときは、文字通り嬌声を上げてしまいました。

私の大好きな方がお二人。
ユ・シミンさんとファン・ギョイクさんが出演されているんです。

絶対欠かさず見ようと思ったのですが、問題は。

「これ。書いても絶対面白くないよね」

ってことでした。(笑)


この番組のコンセプトは、韓国きってのリベラル系知識人のおじさんたちが一緒に旅に出る中であーでもないこーでもないと雑学を披露しつつ喋り倒すのを、ひたすら見せるというもの。
要するに知的なおじさんたちの飲み会を延々見守る番組です。(笑)

ナビゲーター的役回りを務めなければならないソウル大学出身のユ・ヒヨルさんが他の4人の会話の中身にまったくついていけないという、屈辱的な実態を天下にさらす番組にもなっています。(笑)

知的で知性のある人たちって、身近にいるとすごく楽しいですよね。
同じ2時間一緒にご飯を食べるにしても、知的に面白い会話が出来る方々だと楽しさが全然違います。
世の中は反知性主義がはびこっていますが、名ばかりの似非作家・似非文化人たちには逆立ちしても真似できない知的好奇心をくすぐる事実に基づいた愉快な会話の数々を、第1回目から堪能できました。


まずは登場人物のご紹介。




ユ・シミン(59歳)
前職:保健福祉部長官
現職:作家
時々テレビ出演者(週2回)





どんだけあっさりなの、この人物紹介。(笑)

ユ・シミンさんは、韓国では知らない人がいないと言っていいリベラル系知識人で、MBCの「100分討論」という番組のMCでその切れ味の鋭さから全国的に名を馳せるようになり、後に国会議員、ノ・ムヒョン政権時代は保健福祉部(日本の省にあたる)の長官を務めた方です。現在は作家(文筆家)の肩書きで紹介されることの多い方で、実際に著書も多数です。
ちなみに年齢が59歳となっているのは、いわずと知れた数え年です。



そしてお次は。




キム・ヨンハ(50歳)
小説家
代表作『殺人者の記憶法』
   『君の声が聞こえる』
   『ぼくは自分を破壊する権利がある』他多数 



映画『私の頭の中の消しゴム』の脚色も担当された、名前は知られているのに、いまいち本は読まれていない小説家。
だそうです、ご本人曰く。(笑)
キム・ヨンハさんは1968年生まれなので、今年で49歳です。



そして3人目の出演者は、私も大好きなファン・ギョイクさん。




ファン・ギョイク(56歳)
国内第一号のフード・コラムニスト
tvN『水曜美食会』で活躍中




『水曜美食会』、日本のケーブルテレビでも放送されているのか分かりませんが、面白いですよね。初めの頃はスーパージュニアのキム・ヒチョルさんも出ていましたが。
ファン・ギョイクさんは私が以前ご紹介したラジオ『キム・オジュンのニュース工場』にも固定コーナーをお持ちなのですが、食にまつわる幅広い知識が本当に勉強になる方なんです。
つい数ヶ月前の1月頃には、大統領選有力候補と目されていたムン・ジェインさんへの支持を表明したことでなんと出演予定のKBSの番組から干される事件があったのですが、ナPD、古巣の不届きな過ちを見事ここで正してくれたんですね。ステキ。(笑)



そして、居並ぶ人文系の中で、異彩を放つ科学者ひとり。




チョン・ジェスン(46歳)
KAIST 脳科学科教授(a.k.a.脳科学者)
著書『チョン・ジェスンの科学コンサート』他多数




この番組では一番年下のチョン・ジェスン教授(日本の年で今年45歳)、めちゃくちゃいい味出してます。
そしてこの方、人文系にも強い! 素晴らしい人選!(笑)










これだけのそうそうたるメンバーが集まっちゃうと、「ソウル大学出たからなんだ?」ってなりますよね、ユ・ヒヨルさん。





with MC 鷹の目




鷹の目って、形状?!(笑)


実際、初回放送のために統営(トンヨン)に向かうバスの中、開始早々ユ・ヒヨルさんは会話についていけなさに震えてました。

ユ・ヒヨルさん一人、みんなが話している馬山(マサン)地域がかつて70年代に日本向け繊維製品の工業地帯であったことや、軽工業産業を集中させたことで海洋汚染が激しく進んだこと、国内資本でありながら外国資本のために産業を興さざるを得なかった歴史などをまったく知らず。



「いま、乗って15分なんですけど、めちゃめちゃ不安です。
無知がばれるんじゃないかって」







爆笑!

この役回りにユ・ヒヨルさんを持ってきたのも、本当にナイスです。
ソウル大卒をいたぶるこの感じ。別の人でやったら、間違いなくいたたまれないので。(笑)

おじさんたちはとにかく雑学王なので、韓国で食べられるうなぎの種類からその生態、うなぎ養殖の難しさなどについてバスの中で快調に語り倒してくれるのですが、ここでも話についていけないのはユ・ヒヨルさんのみ。
ほとんどの視聴者がユ・ヒヨルさんに自分を重ねる瞬間でもありました。(笑)


トンヨンに着いてからはお昼ご飯を食べるのですが、ひと癖もふた癖もあるおじさんたちはなんと一緒に昼食をとらない!
ファン・ギョイクさんは行きつけの美味しい店を紹介しようとするのですが、ユ・シミンさんは自力で探すと言い張り、キム・ヨンハさんは海辺の店で韓国チャンポン食べると決めていて、トンヨンは初めてのユ・ヒヨルさん、困った挙句にフード・コラムニストではなくユ・シミンにつくという意外な選択を見せます。


まさかの選択に‘俺を選ばないなんて!’と頭にきたらしいファン・ギョイクさん。



「初めてのトンヨンが、そんなにいい思い出になると思えんがね!」







滲んでます、むかつき。ウケる。(笑)


すごいな~。私だったら一秒も考えずにファン・ギョイクさんに付いていきますけどね。

韓国随一のフード・コラムニスト、否、食文化研究家と言ってもいい方なのに、なぜにあなたは?!(笑)


これでプライドに火がついたらしいファン・ギョイクさん。

めっちゃ美味しそうなご馳走写真を送りつけます。
















正確には、送ったのはスタッフですけどね。(笑)

一緒に行ったスタッフ、間違いなく美味しい物にありつきました。
何しろこの時ユ&ユチームは、地元のOLさんに美味しいお店を聞いて「この辺にはない」とキッパリ言われた直後にこれ受け取ってますので。トンヨンで美味しいお店を探すのは、実は至難の業。(笑)



「これ、超ウマそうなんだけど」








ユ・ヒヨルさん、完全に心がファン・ギョイクさんの所に飛んで行ってるんですが。



「そんなのは、夕食に食べればよろしい!」







おじさんの対抗心ってなかなか厄介です。(笑)



結局このユ&ユチームも、最終的には美味しい物にあずかれました。










ユ・シミンさんの執念がなせる業?(笑)

ちなみにこちらのチームのメインは海鮮鍋で、ご飯はファン・ギョイクさん同様ウニのピビンパです。

おいしそ~~~~! ウニのピビンパ~~~~~!

この後写真を受け取ったファン・ギョイクさん、さっき送らなかったおかずの写真を送ったりしてバトルを展開。

正直意味が分からないです。(笑)

(*訂正*見直したところ、いずれもウニのピビンパではなくホヤ貝のピビンパでした)



そんな無駄な争いには初めから加わらず、一人わが道を行ったキム・ヨンハさんの特上海鮮チャンポンは、こんな感じでした。















笑うしかない、この量。

こんなボリューム、明日までかかっても食べ切れません。(笑)


ちなみに脳科学者のチョン・ジェスンさんは「第四次産業」についての講演があり、後から到着予定です。
「第四次産業」からしてよく分からない視聴者。
ドンマイ、私。(笑)



さて。科学者が到着して盛り上がる一同。

夕食はファン・ギョイクさんオススメの「다찌/タチ」と呼ばれる海産物料理屋でとることになるのですが。
















ちなみにこの「タチ」、私もトンヨンで入ったことがありますが、もとはサチョン(泗川)地域とトンヨンにだけあるそうで、日本語の「立ち飲み屋」から来ているそうです。

特殊な注文の仕方をするお店で、「タチ」はお酒を頼むと酒の肴が出てくるんですよね。飲めば飲むほどグレードの高い料理が出てくるのですが、撮影で入ったこのお店しかり、最近は最初に一人当たり3万ウォンくらいもらってビール6本に焼酎1本ついてくる、みたいな感じが主流のようです。料理ははじめからたっぷり出されます。
以前は懐具合にあわせて飲み食いできる仕組みでしたが、今はむしろ食べきれない、飲みきれない場合は割高かも?!









そんな「タチ」に合流した科学者への最初の質問は、バスの中で盛り上がっていた「本当にうなぎを食べると精力がつくのか」でした。

なんのこっちゃ!(笑)


科学者の答えは。



「いや、根拠ないですよ(キッパリ)」







ウケる!(笑)


でも引き下がらなかったフード・コラムニスト。



「でも、精力がつくと何度もいわれてるうちに、心理的に(プラセボ効果があるのでは)」










「精力は、そんなむやみに強くなるもんじゃありません」





















一同、大ウケ!(笑)


でも視聴者がウケたのは、このあとの更なる発言でした。



「プラシボにあまり多くを望まないでください」








これ聞いて、一人大爆笑しました。

この人やるな~。こういう人、すごい大好き!(笑)



この後も、「一目ぼれを科学的に説明してくれ」などの無茶ぶりが駆けつけた科学者に続きます。匂いと相関関係があるそうだけど確かめるフード・コラムニストにそうだと応じる科学者。
そのやり取りが納得いかないのか、元長官が首を傾げていたところ。




「恋をしたのが随分昔なんですね」








爆笑!



さらに追い討ちをかける作家。


「嗅覚は年を取ると衰えるじゃないですか。20代の時はみんな敏感だったと思いますよ」














まったく容赦ない!(笑)


この番組、最高ですね。

ユ・シミンさん相手に後輩たちがこんなこと言っちゃうなんて。


このあと自然とユ・シミンさんの奥さんとの恋バナなどに移るのですが、ここでも活躍する科学者。


「サピオ・セクシャルという言葉があるんですが、それが何かと言うと、相手が知的であると感じる時に、非常に惹かれることをさすんです」










「いまなんて? なんてなんて?」








一同前のめり。(笑)


この場面を見て「私、サピオ・セクシャルだわ」と思っていたら、番組でも続けてこんな画面が出ました。






*この番組をご視聴中のみなさまは
サピオ・セクシャルである可能性が高いです*





なんと!(笑)

でも確かに言いえて妙かもしれません。
ほんとに見ているだけで色々頭に入ってくる、素晴らしい番組なんですよね。



この後はまたユ・ヒヨルさんが一人ぼっちを体験する場面が続くのですが、極めつけは戸主制度廃止議論の際に出された、家父長制がいかに生物学的な一族同質性証明に役立たないのかという話のくだり。

むしろ母親のミトコンドリアの中に遺伝子情報として維持されている情報があると科学者が説明しているのですが、またもやヒヨルさん。




「・・・・・・ミトコンド?」







もうやめたげて。(笑)


このあとユ・シミンさんが噛み砕いて説明してあげようとするのですが。



「僕だってソウル大出ました!」








泣きそうだし!(笑)


いや~、最高でした。


ちなみにここトンヨンは李舜臣将軍が豊臣軍を撃退した場所。

ということで話は李舜臣将軍にまつわるエピソードに絡めて歴史記述の検証などに続くのですが、「本当に船12隻で133隻の船を撃退できるのか、科学的に説明してくれ」などと科学者への無茶ぶりは止まらず。

「歴史の事実を科学で証明しろっていうのはちょっと」と困惑すると、「じゃあ科学者は李舜臣将軍について何を知ってるんだ」と一方的なことを言われてしまいます。
科学者チョン・ジェスンさんも一瞬たじろぐのですが、それでも健気に「李舜臣将軍について、唯一科学に関連したエピソードがある」と口を開きます。


「この話を最後まで聞いてください」と話す前に念を押す科学者。

そして言うことには。

高校の時、学校単位でトンヨンを訪れ、「李舜臣将軍の息吹を感じるために1分黙祷しよう」との物理の先生の言葉で黙祷した後、バスの中でみんなで考えたのだそうです。


「果たして僕たちは、李舜臣将軍の息遣いを感じられるだろうかって」









「すっごい科学的な質問だね」 by小説家キム・ヨンハ








「話にならんね」








みんなここぞとばかりに失笑。


ところがですね。科学者はここからとんでもないことを言うんです。


「李舜臣将軍の53年分の吐息が、この大気圏のどこかに潜んでいるはずって」







科学者の勝ち!(笑)

李舜臣将軍の肺の中に入った空気の分子が、今どれくらい自分たちの吸っている息の中に含まれているかを計算したんですって、高校1年の時に。

退屈しのぎに帰りのバスの中で友人数人と計算したところによると、人が一度空気を吐き出す量は500ミリリットルの牛乳パックひとつほどの量と判明。そこから一分間にどれくらい息をするかを大体4、5秒間に一度と設定し、1年間に800万回の息をしていること、一人の人間の一年間の息の総量を合わせると2億リッターになること、重さに例えると25万キロに当たること、一日の息の総量は13キロに相当することなどを述べていくんです。

それがこの大気圏に400年間の間均一に分布されていると仮定した結果、思った以上に多くの李舜臣将軍の吸ってはいた息を今自分たちも吸っていると計算したんだそうです。

もう圧巻! 誰も勝てないっす!(笑)


あまりに素晴らしかった科学によるどんでん返し。

動画を貼っておきます。

みなさまがご覧になって面白いかは分かりません。自分のためですみません。(笑)









私、高校一年生のとき、暇つぶしになにやってたかなぁ。(笑)


本当に最高のシーンでした。最初のみんなの失笑も、最後は完全なリスペクトになってましたよね。

脳科学教授のチョン・ジェスンさんに、今後も期待です。


しかしこの番組、もし日本でもやるとしたら誰がいいだろうかと、最初に予告をみた瞬間から考えているのですが。

私の理想のメンバーとしては、作家の島田雅彦さんと平野啓一郎さんには絶対入って欲しくて、そこに料理研究家の土井善晴さんとかだと最高じゃないでしょうか。脳科学者といえばお一人しか思い浮かばないので茂木健一郎先生に加わって頂き、問題はユ・ヒヨルさんのポジション。
伊集院光さんとかどうですか?
って、やだもう! 書いててすっごい楽しい! 
見たいです、その番組

と一人で盛り上がって、本当にすみません。(笑)
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以上、知的なおじさんたちがうだうだ飲んで食べながらお喋りし倒す、「アルスル」でした。

この後も書くかは・・・・・・考えます。
どう頑張っても面白さが伝えられそうもないのが悩ましい。
それ以前に、ウダウダをまとめられない。(笑)

しかしこの番組、日本のM-netにはきっと来ないんだろうなぁ。

残念です。(笑)