*記事はtvNの放送(全16話)基準のため、日本のテレビ放送とは該当部分が異なります*

みなさま、こんにちは。

韓国の本放送が昨日最終回の第16話を終えた『鬼〈トッケビ〉』。
視聴率はケーブルテレビドラマ始まって以来初めてとなる20%台を超え、20.5%を記録しました。
すごいことですよね。
トッケビ旋風、大変なことになっているのではないでしょうか。

早く先に行きたい気持ちを抑えつつ、本日も第5話を追ってみます。

第4話ラスト。
ウンタクへの自分の気持ちに気付いてしまったトッケビ、キム・シン。

怒ったように無言で車を運転しています。

わけが分からないウンタクはひとまずその気まずさから逃げようと、歩いて帰るから降ろしてくれと言ってみるのですが、本当に車を止めてウンタクを降ろしてしまうトッケビ。
別れの挨拶を口にするウンタクに視線もくれません。

とぼとぼ歩いていくウンタクを見送ると、トッケビは表情を変えます。

ウンタクの詩集を手に自室に戻るトッケビ。
今日のウンタクの笑顔を反芻しかけたところ、突如胸を押さえてうずくまります。

頭に響く、「神」の声。

トッケビの花嫁だけが その剣を抜くであろう

剣を抜けば無に帰り

安らかになろう

もう、なにこれ。

いきなり可哀相すぎるんですが。(涙)

一方ウンタクは、大好きなラジオを聴きながらホテルに帰る途中、幽霊に頼みごとをされていました。

その若い幽霊はコシウォンに滞在中急死したようで、遺品の整理に来る母親が空っぽの冷蔵庫を見たら悲しむので、食べ物で一杯にして欲しいと頼んだのでした。

食べ物を買うお金のないウンタクは、ホテルの冷蔵庫にあったものを持ち込んで冷蔵庫を一杯にしてあげ、部屋も綺麗に片付けてあげます。

掃除を終えたウンタクに「ありがとう」と礼を言う幽霊。

ウンタクが一杯にした冷蔵庫を見ながら、娘を思い涙を流す幽霊の母。

そんな母を胸を痛めながら見つめる幽霊。

幽霊は、あの世に行くべく死神のもとを訪れます。

現世での記憶を全て消し去ってくれるお茶の入った湯飲みを手に、なかなか飲めずにいる幽霊。

死神が静かに声をかけます。

「お茶が冷めますよ」

「今生では、お疲れ様でした。気をつけて行ってください。来世に」

涙を流しながらお茶を飲み干す幽霊を見つめる死神です。

その死神。

とうとうサニーに橋の上で出会います。

なぜ電話しなかったのかと尋ねるサニー。

その問いに死神は、「家に帰って今すぐ電話します」とトンチンカンな返答を繰り出すんですよね。(笑)

なぜ電話をかけに帰るのか意味が分からないサニーは、電話はいいのでお茶しに行こうと誘います。

死神が美女とお茶。

どんな展開になるかと思いきや。

ほんとにずっと飲んでます。

一言も喋らずに、飲み物だけを。

4杯も飲んでますけど。(笑)

なぜお喋りしないんだ、元気だったか聞かないのか、いまだに携帯はないのかと尋ねるサニーに、聞かれたとおり「お元気でしたか? 指輪はちゃんとあります。携帯はまだありません」と応じる死神。
それでも「ほんとは私の名前、忘れたんでしょ?」と問い詰められた時は、「ソンヒさん」とにっこり笑顔を見せてます。

余談ですが、このあたりも翻訳者泣かせですよね。
‘써니’を‘선희’だと勘違いしたという、死神の古めかしさを際立たせるためのギャグなんですが、これ訳しにくいです!(笑)
‘써니’と‘선희’は韓国語の音はどちらも「ソニ(ソニー)」ですが、音訳するときは「サニー」と「ソニ/ソンヒ」に分かれるんです。ギャグの意味が韓国内でしか伝わりません。(笑)

「ソンヒさん」と言われ、むきになって「サニーです!」と訂正するも、ほどなく「それ、キャラ設定ですか?」と笑いだすサニー。死神、恐らく言われた意味が分かってません。笑うサニーをじっと真顔で見つめる死神。

「・・・・・・なに見てるんです?」

「見てしまうんです。笑うから」

あるんでしょうね。前世の縁。
恐らく悲しい感じで。

そして唐突に挟まれる、妙なシーン。

これ、死神はビールをアイスビールに、トッケビはタマゴをゆで卵にしてるんです。
お互い交換するために。
だから手から妖気が出てるんですが。

力の無駄遣いじゃない、これ?(笑)

それぞれに理由ですっかり落ち込んでいる二人。

死神はサニーに名前を聞かれたことにショックを受けていました。

「名前を聞くんだよ。名前を知らないのに。元気だったかって尋ねるんだ。生きてないのに元気か聞かれても」

かたやトッケビは、ウンタクのことで落ち込んでいるのでした。

ケベックでのウンタクの笑顔を思い出してしまうトッケビ。

トッケビの悲しいモノローグが流れます。

あの子の笑顔のうちに

一日のうちもっとも穏やかな牛の刻の日差しの中で

命が砕け散ったあの瞬間を思い出したその時

私は決意した

私は消えなければならない

もっと生きたくなる前に

これ以上幸せになる前に

君のために私がすべき選択は

この命を終わらせること

「あのさ。あんたの声、全部聞こえてんだけど」

やめなさい!(笑)

せっかく悲しい心の声に視聴者泣く準備に入っていたのに、このドラマはこういうのだらけです。(笑)

本当に死ぬのかと尋ねる死神に、初雪が降る前にと答えたトッケビです。

その後、ウンタクのホテルの部屋を訪ねるトッケビ。

ちょうど幽霊の女の子にあげてしまった冷蔵庫の中身の代金を請求されていたウンタクは、バイト代から払うのでひとまず払ってくれないかとトッケビに頼みます。
聞いてくれなければ部屋のろうそくを一つずつ消して面倒くさい目にあわせるからと脅しをかけたのですが、トッケビは冷たい表情のまま目の前で一気にろうそくを消してしまいます。

もう二度とろうそくを消して呼びつけるな。

一緒に家に行こう、お前はトッケビの花嫁だから。

乾いた口調でそう告げるトッケビ。

ウンタクは、そんなトッケビをまっすぐ見つめて尋ねます。

「・・・・・・おじさん。私のこと、愛してますか?」

「それが必要なら、そういうことにする。愛してる」

ひどい。
こんなに淡々と、何の感情も込めずに「愛してる」だなんて。
しかも、外は土砂降りが降りだし。

完全に傷ついたウンタク。

「私のことがそんなに嫌いですか?
私のどこがそんなに嫌だからって、ここまで悲しむんですか? 雨がザーザー降りじゃない」

「いいです、もう。おじさんが嫌だろうが、悲しかろうが。私はおじさんの家に行って暮らしますから。今の私は、どんな鬼がいいとか選べる立場じゃないんで。私が剣さえ抜いてあげればいいわけですから」

「ああ。それでいい」

ウンタク、その変わらぬ冷たいトーンに傷つきながらも荷物をまとめます。

家に向かう途中、ウンタクはトッケビの名前を尋ねます。
そうは言っても自分の花婿なのに、名前くらいは知るべきだと思ってとウンタク。

何も答えないトッケビにまたしょげるウンタク。
小さく呟きます。

「私たち・・・・・・。ああ、まだ私たちじゃないか」

「お前が生まれる前から始まっていたと思うが。俺たち。
ある時はユ・ジョンシン、またある時はユ・ジェシン。今はユ・シンジェ。
でも、本当の名前は、キム・シンだ」

雨はザーザー降らせるわ、無言だわですっかり傷ついていたウンタクですが、名前を教えられ、いじらしくもかすかな笑みを浮かべます。

こうして家に同居することになったウンタク。

死神もトッケビの死をもたらすウンタクを歓迎し迎え入れるのですが、ここでひと騒動勃発。
ウンタクに使わせる部屋の内装をどうするかで、二人が揉め始めるんです。

「こっちにはバロック調の椅子を置こう」と言ったトッケビの言葉に死神が即座に反論。

「写真館か? 心身を安定させるパステルトーンのデイベッドがいい」

「幼稚園か? こっちには19世紀のロマン派の絵をかけて、壁には暖炉を」

「ペンションか? 向こうはスカンジナビアの壁紙を貼ろう」

「モデルハウスか? 俺の客だぞ!」

「俺の家だよ!」

って、うっさいわ!!(笑)

この回、やたらとこういう意味のないセリフの応酬が多いんです。「ああ、キム・ウンスク節、出すぎちゃってるな」と思いながら見ている視聴者。(笑)

結局この日はトッケビが死神の部屋に押しかけて一緒に寝ることにするんですが、ここでも神の威厳ゼロのこんな表情。

ま、この顔は視聴者サービスの一環ということで。(笑)

ウンタクはトッケビの部屋で、トッケビが持っていってしまった自分の詩集と、大事にちゃんと持っていたらしいラミネート加工したケベックの紅葉を発見。
トッケビが紅葉を捨ててなかったことに、嬉しくなります。

紅葉は漢文が書かれた書物に挟んであったのですが、漢字の読めないウンタクが本だと思いこんだその書物は、実はトッケビが書き記していた遺書でした。

流れるトッケビのモノローグ。

異国の地でも戦は絶えない。
刀で、弓で、大地を奪い、穀物を奪って命を奪う。
異国の神も高麗の神も、同じ穴の狢だ。

ともに高麗を発った幼い孫の孫のその孫を葬った。

私は小さな部屋の片隅においてある椅子で来る日も来る日も過ごした。

私の遺書は、死を前に残す言葉ではない。

神よ、私の遺書は、あなたに死を請う嘆願書なのだ。

この命が褒美に思えたこともあるが、結局私の命は罰だった。

誰の死も忘れられなかった。

だから私は今、この命を終わらせようと思う。

だが神は、今も聞いていないのだから・・・。

900年以上を生きながらえ、数々の死を見てきたトッケビ。
神に死を懇願する痛ましい心情を綴った「遺書」を前に、抜けない刀を抜こうとするも、今日までその願いは叶いませんでした。

死神の部屋のソファベッドに横たわりながら、トッケビは死神に神の姿を見たことがあるかと尋ねます。

死神は一度も神の姿を見たことがなく、トッケビは復活する時に見ていました。
トッケビが見た「神」の姿は、あの蝶でした。

神に会い、せめて顔を見て恨み節を聞かせてやりたいと語り合う、トッケビと死神。
耐えられる試練のみを与えると言われている神は、自分を過大評価しているとつらそうに呟くトッケビを内心心配する死神です。

翌朝。起きてすぐ朝食の準備が気になるウンタク。
トッケビの部屋で呟いています。

「何でも揃ってるのに、どこか侘しいんだよな」

キッチンに行ってみると、二人の男は各々自分の分だけ朝食を作っていました。

トッケビはステーキ、死神はサラダ。

っていうかこのおうちのキッチン、本当に素敵じゃないですか?(笑)

結局ちゃんと朝食にはありつけたウンタクですが、このお金持ちの家が家政婦を雇えない理由がここで判明。

なにかって言うと念力で力比べ。

大の大人が、っていうか爺さん二人が、なにやってるんでしょうか。(笑)

ウンタクは二人に同居のルールを伝えて学校に行きます。
ウンタクのルールは3つありました。

1.あまり雨を降らせないこと。
2.不満があるときは口で。
3.急用があれば電話するように。(授業中と図書館にいる間を除く)

携帯電話を持つ口実が出来、鬼と死神は人間のドックァに携帯を開通させます。

この後延々とスマホの使い方講座に突入。(笑)

スマホの使い方講座が終わったら、今度はショッピングシーンが長々と。

「なに、この間延び感」と視聴者若干呆れてくる5話中盤。

ショッピングから帰ると、ウンタクの部屋はすっかり模様替えがすんでいて。

トッケビはお金をかけてやってあげたと恩着せがましいことを言いつつ、下の階が自分の部屋なので常にかかとを上げて静かに歩くよう言い渡して出て行くんですが。

そのくせ下の階から2階のウンタクの様子に聞き耳を立て、にんまりしてるんですよね。

幸せそう。

でも若干ストーキングです。(笑)

この後、名前がないことに悩んだ死神が、ウンタクに「女性に人気の名前」について相談し始めます。
勿論、サニーに名乗る名前を決めるためです。
あの日コーヒーショップで名前を尋ねられ、死神は大慌てで席を立っていたのでした。

ウンタクは死神に名前を知られたらあの世行きになるのではと勘違いし、「私、もう人妻ですから! 夫の姓を名乗りますから! もうチ・ウンタクじゃありませんから!」などと狼狽しながら口走ってます。

っていうか、結婚しても韓国では夫の姓を名乗りませんし。(笑)

自分を連れて行くわけではないと分かったウンタクが「女の好きな名前の代表格は3つ。ヒョンビン。ウォンビン。キム・ウビン」と答えたことを知ったドックァは、死神が真に受けるんじゃないかと心配。

「そんなあなたもユ・ドックァじゃないですか」のウンタクの言葉に、「それにはむかつく理由があるんだよ」と名前の由来を話しだします。

トッケビが92年に「ユ・ドックァ」にハマったおかげで、同じ名前をつけられてしまったそうです、ドックァ。

ちなみに「ユ・ドックァ」は、「アンディ・ラウ」のことです。
中国名「劉德華」。韓国語の漢字読みにすると「ユ・ドックァ」。
韓国以外で通じないセリフ、またきました。(笑)

家に帰って勉強中のウンタクに、やたらとおやつを運んでは「剣を抜いてくれ」と書き残していくトッケビ。

ウンタクは無視し続けるのですが、とうとうキッチンで顔を合わせます。

「あんなにたくさん食べておいて剣も抜いてくれないようなお前の夢はなんなんだ?」と意味不明な論理展開で問いただすトッケビ。

ウンタクはラジオのPDになりたいと話します。

なるほど、ウンタクはそれでいつもラジオを聴いているんですね。

剣を抜いておじさんを綺麗にするのはしばらく棚上げするとウンタク。用済みになって家から追い出されたらと考えただけで試験勉強に身が入らないからと答えます。
あの時とっとと500万ウォン払って終わらせれば良かったのにというウンタクに、なぜ500万などという中途半端な額なんだと尋ねるトッケビ。

ウンタクは、成人するまでの間サウナを転々とするための費用と、大学に合格した場合の授業料を計算して500万ウォンを算出していました。

突然現れ「500万、あげろよ」と口を挟んだ死神のおかげで一旦部屋に戻されるウンタク。

死神は「お前の名前、キム・シンなのか? すごく、カッコいいな」と元気なく言い残して去っていきます。

死神は死神で、悩みが深まっている模様です。

翌日ウンタクは、バイト先でサニーに結婚のことを相談し、愛されてない男と結婚なんて何のためにするのかと言われてしまい。
ホテルであの日、何の感情もなく「愛してる」と言ったトッケビがまた恨めしくなります。

家に戻ってもトッケビを無視し、死神と一緒に仲良く洗濯物をたたみだすウンタク。

後ろではトッケビが名画を掲げて「どこにかけたらいい?」と必死に尋ねてます。自分に注目させようと。

・・・・・・っていうか、その服、ゼッケン?(笑)

どうでもいいやりとりの間にも死神に「まだ名前を決めてないなら、パク・ポゴムはどうですか? パク・ポゴム(朴宝剣)」などと言ってます、ウンタク。

脚本家の先生、もしや次の作品にうちのポゴミを狙ってるんじゃ?(笑)

いよいよ痴話喧嘩が始まったウンタクとトッケビ。

あなたのつくったあざのせいで幽霊を見る羽目になったと言うウンタクに、髪の毛を無造作に上げてあざを見て「かわいいもんだ」とトッケビが応酬したおかげで、「だから剣を刺されたりするのよ。こういう目に遭うには、れっきとした理由があるもんなんです」とひどい一言をグッサリ。

「ひどい、サイコパス」と責めるトッケビに、「そっちだって花嫁じゃないなどとひどいことを言ったではないか」と引かないウンタク。
それはお前のためを思ってだろうと興奮するトッケビにウンタクも釣られて「私のためを思うなら彼氏を出してくださいよ! まだ叶えてくれてないでしょ! 彼氏!」とヒートアップ。

「いるだろ、ここに彼氏!」

「どこ? どこに!」

「ここ! お前のすぐそば! 俺!」

言っちゃっておいて、気まずい。

そして死神の立場は?(笑)

各々部屋に逃げ帰る二人ですが、二人とも、にんまりしてます。

「正確には彼氏ではなく夫だと訂正すべきだろうか?」と考えつつも、にやけてます、トッケビ。

どうでもいいですが、服が、やっぱり、変。(笑)

いちゃつきカップルを見て、さらに悩みが深まってしまっていた死神でしたが、トッケビに勝手に電話をかけられてしまい、結局サニーと話すことに。

翌日、死神はドックァの運転でサニーとの約束の場所である仁川へ出発します。

一方家に二人残され、ぎこちないトッケビとウンタク。

水を取ってそそくさと部屋に戻ろうとするウンタクの名前を、トッケビは反射的に呼んでしまいます。

恐らく初めて名前を読んだ瞬間。

「なんで呼んだんですか?」

「・・・・・・気まずいから」

「私もです。じゃあ、私が自然な感じで‘お腹が空いた’って言いましょうか?」

「そうする? じゃあ俺が自然な感じで‘牛肉食べに行く?’って聞くよ」

って、会話が全然自然じゃないから!(笑)

「じゃあ、コートだけとってきます。おじさんも服着てきてください」

ウンタクが部屋に向かうと、また念力でコートを引き寄せるトッケビ。
そわそわした様子でウンタクを追いかけます。

「もう着た。行こう、行こう」

どんだけ一緒にお出かけしたかったんですか。(笑)

そして、毎度のどこでもドア。

「わぁ。ここ2回目だ。そのうち常連さんになっちゃいそう」

嬌声を上げるウンタク。

「この間、あの席に座ったんだった」

はしゃいで席に向かうウンタクでしたが、その瞬間、トッケビの時空が変化します。

おぼろに聞こえてくる、ウンタクの声。

「そうなんですよ。外国、初めてだから」

『よりによって9のつく時に海外だなんて。私が29歳の時は、家の前のスーパーにも行かなかったわよ。何も約束がなかったから』

電話の相手はサニーのようでした。

「ほんとですか? でも私、海外初めてにしては、あちこち回ってるんです。あんまり迷ったりもしてないし、ちゃんと食べてるし、大きなステーキも。実は男の人と、素敵なレストランに来たんです」

『レストランが素敵でも意味ないでしょ。男が素敵じゃないと。眠いから切るわよ』

「はい。寝てください」

外国に初めてきたという、29歳のウンタクがそこにいました。

「社長、ここです」

初めて見る、未来のウンタクの姿。

ときめいた顔で誰かを待つウンタクを前に流れる、トッケビのモノローグ。

29歳になった君は、相変わらず明るい
でも君の隣りに、私はいない

私は結局、不滅の命を終わらせたのだな

私が死んだ後
その後の時間の中に座っている君は、
私が消え去った後の君の人生は、
私を忘れ完全に完成されたのだな

私は去るべきなのだ
美しく笑う君のために
私がすべき選択は

この命を終わらせること

一つ一つ、ウンタクとの思い出の中から消えていくトッケビ。

「結局私は、それを選んだのだな」

一人呟くトッケビの頬を伝う涙。

ウンタクが、その涙を凝視します。

でも、トッケビはウンタクに気づきません。

目の前に見ているのは、自分を忘れた10年後のウンタクだから。

あ”ーーーー。(泣)

韓国滞在中、たまたまこの5話のラストシーンを見てしまい、ただならぬ雰囲気に惹かれてこのドラマを1話から見始めたのですが、前とのつながりが分かってみると、このラストシーンでのトッケビの涙がさらに悲しく迫ってきます。

とはいえこの5話は全般的にまとまりに欠け、言葉遊びで成り立たせる内容の薄い回ではありました。
役者たちが上手いのでついつい笑わされるのですが、笑うところではないところで強制的に笑わされている感じがして、いまひとつ。

それでもその不満を一気に持っていく、このラストでした。
内容が軽薄だったり中身が薄かったりしても結局納得できてしまうのは、やはり最初の段階で人物像と設定をしっかり抑えているからでしょう。
それがなければこのドラマ、この回で脱落する視聴者が結構出ていたかもしれません。
かえすがえすもドラマで大事なのは、後付け的ではない最初の枠組み設定ですよね。(笑)

ちなみにトッケビは普段は現代語で、ウンタクに言葉遣いが古いと言われてからはさらに現代風を意識していますが、心のつぶやきは素のままなんですよね。
他にも威厳を出そうとする時にわざと時代劇口調になる特徴があり、ドックァに言うこと聞かせたい時や死神に格上だとアピールしたい時に時代劇口調になるのですが、このあたりの細かい面白さも字幕に生かされると、さらに人物の魅力が伝わるでしょう。

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ドックァが祖父にクレジットカードを止められていて困っているシーンが初回から繰り返し出てきているのですが、比重が意外に大きいので何か裏の事情がありそうです。

そろそろそのあたりのことも描かれていくでしょうか。

第6話も引き続き追っていきます。

tvNドラマ『鬼〈トッケビ〉』詩集-『もしかしたら星々が君の悲しみを持ち行くかもしれない』-キム・ヨンテクの一度は筆写したい詩

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