みなさま、こんにちは。

なんだか一気に涼しくなりましたね。
夏が猛暑だったせいか、今年はことさら寒く感じる気がします。
みなさまも風邪など召されませぬようお気を付けください。

さて今日は、韓国語の秋のことわざなど綴ってみようと思います。





本題に入る前に。
先日放送を終えたtvNのドラマ『ミスター・サンシャイン』。
先日といっても、既に3週間ほど経っていますが。

もーねー、これは。
放心しました。
これを見終わって以来、なかなか別のドラマにいけません。
歴史の旅に出て行った魂が戻ってくるまで、数日かかっちゃいました。

こういう時は過去のお気に入りを、ということで最近また『オフィスの女王(職場の神)』を見直したのですが、いやー、改めて、傑作ですね!(笑)

あのドラマ、もう5年も前なんですよね。
ここで取り上げている時も私一人盛り上がって書いていたのですが、爆笑と号泣を交互に織り交ぜてくる絶妙さに今一度感嘆しました。

本当にあの2013年という暗い時代、陰鬱とした社会の空気がドラマの中に溶け込んでいて、その暗い暗い政治状況をベースに抱えながらもどうにか笑いに、ポジティブなパワーに変えようと奮闘する制作者の意図が涙ぐましくて。
今回も3話以降は号泣しながら見ました。(笑)

それにしても、ドラマでキャラを立たせるための設定なのは重々承知しながら、「今これやったらテレビ局、クレームの嵐だろうなぁ」と苦笑するシーンも満載。
時代の空気を如実にはらんでいたドラマならではですね。

『IMFから16年。非正規労働者800万の時代。
いまや韓国人の願いは統一ではなく、正社員への格上げに変わった』

この毎度の前口上が、あの時は本当にしみじみ悲しく感じたものでした。


さて。

そんなわけで、秋。

今日は秋にかかわることわざをいくつか取り上げてみようと思います。


秋の入る代表的なことわざと言えば、「天高く馬肥ゆる秋」。

由来となった中国唐代の詩人・杜審言の詩では、もともとは収穫の秋になると必ず襲ってくる北方騎馬民族の匈奴を警戒せよという意味だったそうですが、現在は秋という季節のすばらしさを表す言葉として使われていますよね。

韓国語にも秋を表す全く同じことわざがあります。


“천고마비의 계절”(天高く馬肥ゆる季節)



同じく秋の代表的な日本のことわざに「秋茄子は嫁に食わすな」がありますが、これも全く同じ意味のことわざが韓国にもあります。
ただし、「茄子」が「冬葵(ふゆあおい)」に、「嫁」が「女の子」に変わっていますが。


“가을 아욱국은 계집 내쫓고 먹는다”
(秋の冬葵汁は女を追い出して食べる)



なんてひどい話!(笑)


冬葵、韓国語では아욱(アウク)、または漢字読みで동규(トンギュ)と言いますが、日本ではあまり一般的ではありませんよね。







タンパク質とカルシウムをほうれん草の2倍含有し、食物繊維が豊富。
韓国ではお味噌汁やお粥、ナムルにして食べるなどがありますが、すみません。私は食べたことがありません。
いえ、正確には、食べたのかもしれませんが自覚がありません。
名前の分からない葉物野菜が韓国には多すぎます。(笑)

この冬葵、よほど美味しいということなのか、同じことを意味する別バージョンがいくつかあります。


“가을 아욱국은 사립문 닫고 먹는다”(秋の冬葵は柴扉を閉じて食べる)

“가을 아욱국은 사위만 준다”(秋の冬葵は婿にだけあげる)




こりゃよっぽど美味しかったんでしょうね、昔は。(笑)


やはり秋が実り豊かな季節であるという点では日本も韓国も同じ認識なので、「食欲の秋」を表すこんなことわざも。


“가을에는 손톱 발톱이 다 먹는다”
(秋には指の爪も足の爪もこぞって食べる)



秋には食欲が旺盛になって手でも足でも食べる、という比喩ですが、想像すると怖いです。(笑)


「人に隠れて食べたいほど秋には美味しいものがある」、「食べても食べても食欲がどんどんわくほど秋は食べ物がおいしい」という意味では共通の日韓なのですが、実は気候面を見ると違いが。

日本では「秋の長雨」という言葉が示す通り、夏が過ぎると9月、10月は雨の続く季節ですよね。

ですが韓国では、「秋の雨」=「短い/少ない」を意味しています。


“가을비는 오래 오지 않는다”(秋雨は長引かない)

“가을비는 빗자루로도 피한다”(秋雨はほうきでもよけられる)




隙間だらけのほうきを頭上にかざしてもよけられるほど、秋の雨量が少ないなんて。

ここは日本とはかなりの違いですよね。


でも。

一番違うのは、実はこれかもしれません。

「女心と秋の空」。

変わりやすい秋の空模様と移ろいやすい女心を表す言葉ですが、韓国では秋に移ろいやすいのは、男心。
反対に女性の心変わりや移ろいやすさは、春に例えられます。


“가을바람은 총각 바람, 봄바람은 처녀 바람”
(秋の風は独身男の風、春の風は乙女の風)



韓国で「風(パラム)」とは「浮気(心)」を意味するので、秋になると男たちは浮気心にそわそわし、春になると女たちが移り気になるというわけです。

これを知らずに韓国の女性に嫌みの一つでも言うつもりで「女心に秋の空とは、まさに君だね」などと言ったら、「そう?ありがとう(私の心、確かに澄み切ってる♡)」となるのがオチです。(多分。笑)

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日本と韓国を「秋」をキーワードに切り取ってみると、まったく同じことを意味するものからかなり違う意味合いのことわざまで、色々あって面白いですよね。

そしてよく考えてみれば、日本のことわざが当てはまる範疇だって、本当はもっと狭いに違いありません。
北海道と東京が同じはずがないし、東京と沖縄が同じはずがありません。
それでも、みんなが知っていることわざ表現のおかげで、実際の天候にかかわらず「女心は秋の空」と思うのでしょうし、「天高く馬肥ゆる秋」なので「食欲の秋」を爆発させるのですから、言葉の影響力って甚大です。

ちなみに、もともとは「男心は秋の空」だったそうですよね、日本も。
年がら年中、女性も男性も、移り気だということでしょうか。(笑)

みなさまも、どうぞ良い秋を。