みなさま、こんにちは。

昨日は啓蟄(けいちつ)でしたね。
文字どおり、地中にいた虫たちもうごめいてきそうな春の暖かさを感じられるようになりました。
そしてなにより花粉!
特に花粉症ではないはずの私にも、疑わしき症状が。
きっとすごい量が舞っているのでしょうね。
花粉症のみなさま、どうぞお大事に。

さて、今日は韓国で2月13日から公開されているチョン・ウソンさんとキム・ヒャンギさん主演映画『証人』(邦題仮)の予告編などを取り上げてみようと思います。


まずはポスター。出典はNaver映画。







信念をもって弁護士として活動し、「民弁(民主社会のための弁護士の会)」ではファイターと呼ばれていたものの、信念に蓋をして大手弁護士事務所に入り、マスコミの注目を集める殺人事件の容疑者弁護を引き受けることになったスンホ(チョン・ウソン扮)。事件の唯一の目撃者ジウ(キム・ヒャンギ扮)に会いに行き、自閉症のジウとの意思疎通に苦労しながら交流を深めるも、やがて二人は法廷で弁護士と証人として相対することに・・・・・・。
というのが映画のおおまかなあらすじです。


以下映画のスチール写真をいくつか貼っておきましょう。
出典は同じくNaver映画より。






















絵が地味ですよね。

そして基本、かがんでる。(笑)

この映画、韓国では’착한 영화’と言われています。日本語に訳すと「優しい映画」、「善良な映画」といったところでしょうか。
私としては意味的に「善良な映画」のほうがしっくりきます。

こういう「善良な」テーマのヒューマンドラマは、扱う主題からおのずと娯楽性が低くなるため、内容そのものの良さ、メッセージの良さがあったとしても、多くの観客を呼び込むのに難しさが付きまといがち。
「善良な優しい映画」は観客動員100万を超えられないことが往々にしてあるため、この映画も地味さゆえに興行成績が振るわないのではと危ぶむ声が見受けられましたが、幸い現在までに230万人の観客動員を記録しています。

チョン・ウソンさんが国家機関の特殊部隊要員でもなく、銃をバンバン撃ちまくるでもなく、体を張ったアクションで観客を魅了するでもない「普通の人」の役を演じるのは一体いつ振りだろうかというほど久しぶりで、なおかつ元「民弁」ながら今はお金のために大手弁護士事務所に入って階級上昇を期すという、ちょっと冴えない人を演じるということで、私も観客動員数がずっと気になっていたのですが、幸い3月1日に損益分岐点200万人を超えたとのことです。

以前もJTBCニュースルームにインタビュー出演された時の記事で取り上げていますが、チョン・ウソンさんは国連難民機構の親善大使として精力的に活動されており(過去記事はコチラ)、近年とみに社会問題に対する発言、特に難民受け入れに関する社会に向けての説得が多くの人々の心を捉えています。
俳優業を離れても、とても真摯かつ聡明な方なので、実は派手さのまったくない「民弁」出身の愚直そうな弁護士という新しい役どころは、今チョン・ウソンさんがまさに演じるにふさわしいという声も一方であったので、映画の好評ぶりがそれを裏付けているようで嬉しいです。

ちなみに「民弁」は「民主社会のための弁護士の会」の略で、1988年に51人の人権派弁護士たちが結成した団体です。現在は所属弁護士1000人を数え(弁護士総数2017年基準24,015名。大韓弁護士協会資料より)、韓国社会で「民弁」といえば正義の代名詞と言っても過言ではないでしょう。

民弁が結成されるずっと前の70年代から、軍事独裁政権の公安統治によって不当逮捕、弾圧された人々のために闘ってきた弁護士たちの流れがあり、たとえば現ソウル市長・朴元淳さんは80年代の代表的人権派弁護士ですし、故・廬武鉉大統領も文在寅大統領も民弁出身。
厳しい時代状況の中で民主化と社会正義実現のために闘ってきた法曹人の多くが、のちに民弁に集いました。
というのも韓国社会でいま最も腐敗していて改革が必要な分野、社会的責任を追及されている勢力は、大手新聞と並んで司法なんですよね。
軍事独裁政権がでたらめな法を作ったり、北朝鮮の脅威を口実にしたスパイ事件をねつ造したり、市民の権利を制限したり、環境破壊を進めたりする間、検察も裁判官も長いことその下手人・共犯として機能してきました。
民弁には法曹人として今も昔もそこに抗い続けている人々が多くいます。

とはいえ数が増えれば実際にも色んな人が出てくるので、スンホが民弁の熱血弁護士だった過去を捨て、かつて判事や検事だった人たちがトップを占めている業界でもある大手弁護士事務所の軍門に下る、などという映画の設定は、十分あり得る話でもあります。
そのあたりの微妙に揺れる心情、信念との間での葛藤をチョン・ウソンさんがどんな風に描いているかが見どころと言えそうです。

監督は『ワンドゥギ』、『優雅な嘘』、『戦場のメロディ』のイ・ハンさん。
まさに「善良」な「優しい」映画をつくり続けている方ですよね。
原作小説を翻訳させていただいたのもあり、私はイ・ハン監督には『ワンドゥギ』つながりで特別な感情があるのですが、さらに今回私が好きなチョン・ウソンさんを主演に迎えられたことで、イ・ハン監督には勝手にさらなる愛を感じています。(笑)

キム・ヒャンギさんは『優雅な嘘』に続いてイ・ハン監督作品は2作目ですね。
大ヒット作『神と共に』のドクチュンから自閉症の少女への変身。
その演技力の幅広さに多くの観客が唸っているのだとか。
私も早く見てみたいです。


では、予告編を。

動画はyou tubeのロッテエンターテインメント公式より。

まずはメイン予告編。





先生 有名ですよ
‘民弁’で活動してる時ファイターだったって

マスコミの事件への関心が高い
またとないチャンスだ
ヤン弁護士にも会社にとっても

殺人容疑者の弁護士

この子が証人?

イム・ジウさんを法廷に立たせたらどうでしょうね?

事件の唯一の目撃者 自閉少女に出会う

自分の世界に閉じこもっている子なので
意思疎通が難しいと思いますよ

イム・ジウさんだよね?
ぼくは弁護士のおじさんだよ

アルファ碁の時代 弁護士は10年後になくなる職業702個のうちの一つです

そうなんだ?

失礼だったらごめんなさい

心を開いた瞬間

クロス!

自閉症者にはそれぞれ自分の世界があるんです
あなたがその中に入ればいいじゃないですか

真実が近づいてきた

ジウ

法廷に立たせたらゲームセットじゃないですか?
誰があの子の話を信じると思って

ジウ

あなたたち何なんですか?

私もジウもやれるだけのことはやったと思いませんか?

この国で成功しようと思ったら 適度に垢にまみれないと

あなたはいい人ですか?

チョン・ウソン キム・ヒャンギ
<ワンドゥギ> <優雅な嘘> イ・ハン監督
証人




もう一つ。

こちらは少し短いバージョンの予告編。




絶対にそんなことをする人じゃありません

検察は家政婦が自殺にみせかけて家主を殺害したと
ヤン弁護士が主導して準備してほしい

10年間家族のように過ごしてきたんです
その私がどうしてそんなことを?

殺人容疑者の弁護士

それが 目撃者がいるんだ

目撃者イム・ジウ

自己紹介をお願いします

自己紹介をお願いします カメラだ


この子が証人?

唯一の目撃者、自閉少女に出会う

イム・ジウさんだよね?

知らない人がついてきたら警察に届け出る

わかった わかった

自閉症の人は嘘をつけません
私はジウを信じます

私は依頼人と自分の論理を信じます

<ワンドゥギ> <優雅な嘘> イ・ハン監督

イム・ジウさんを法廷に立たせたらどうでしょうね?

チョン・ウソン キム・ヒャンギ

おじさんも私を利用するんですか?

証人




予告編をご覧いただけばわかるように、『刑務所のルールブック(原題:賢い監房生活)』のハニャン役で大ブレイクしたイ・ギュヒョンさんが出演されています。
『トッケビ』でウンタクをいじめる憎たらしい叔母も。
って、この女優さん(ヨム・ヘランさん)めちゃくちゃいい人そうなのに、いつまでも鬼叔母キャラで語ってごめんなさい!(笑)


ところでこの映画、映画とは関係ないところでも話題になりました。
実はチョン・ウソンさんとキム・ヒャンギさんは、これが2度目の「共演」。
16年前、パリバケットのCMに一緒に出演してるんですよね。

当時ヒャンギちゃんは2歳。
なんでも初めてのお仕事で、異様な空間に大泣きしはじめちゃったそうなんです。
お母さんにしがみついて離れない状態。
困った状況に監督は別の子に変えることにし、これでヒャンギちゃん芸能界デビューはついえたかに思えたその瞬間、颯爽と現れた当代きってのイケメン。
「行こう」とにこやかに差し伸べられた手を、嘘のように泣き止んだヒャンギちゃんが握り、無事撮影に至ったのだそうです。

そのCMが、こちら。








やっぱりかがんでる。(笑)

可愛いですね~、ヒャンギちゃん。
私もこのCMは覚えています。まさかのちにこんなに立派な女優さんになるとは。(笑)

小さな子も美人や美男子を見ると、確かに反応変わりますよね。
さすがだなー、チョン・ウソン。

ちなみに上記のエピソードは、当然ヒャンギちゃんの記憶によるものではなく、お母さんによる刷り込みだという点がポイントです。(笑)







余談ながら、この映画の予告編を見て以来、私の頭の中に繰り返し浮かんでくるチョン・ウソンさんの真逆の姿がありまして。

『グッド・バッド・ウィアード』の時のチョン・ウソンさん。








かっこいいんですよね~。

2008年の映画。
監督は『反則王』、『甘い人生』、『密偵』などのキム・ジウンさん。
『人狼INRANG』ではまさかまさかの大コケを喫してしまいましたが、それはともかく、この『グッド・バッド・ウィアード』のハチャメチャぶりが、本当に素晴らしいんです。
と、いつまでも『人狼』の大コケを蒸し返してごめんなさい。(笑)


この『グッド・バッド・ウィアード』では、1930年代の日本統治下の満州を舞台に、宝のありかを示す地図を巡って男たちが撃ち合う、満州占領中の関東軍も騎馬民族の馬賊も撃ち合う、みんな総出で容赦なく撃って撃って撃ち合いまくるのですが、広大な荒野で馬を走らせながらライフルを撃つ、くるくる回す、走る馬の上で銃弾を充填するという神業アクションを実演してるんです、チョン・ウソンさん。







チョン・ウソンさんのみならず、イ・ビョンホンさん、ソン・ガンホさんもほぼ100%スタントマンなしでアクションシーンを撮ったことで有名なのですが、とにかく派手でかっこいいんですよね。

予告編だけでもそのカッコよさが存分に味わえるので、話が大幅にそれたついでに貼っておきます。
今見ると、イ・ビョンホンさんは思いっきりジャック・スパロウとキャラかぶせてます。(笑)

こちらの動画はyou tubeのものですが、公式の予告編ではありませんのでリンク切れの際はとご了承ください。








やーばーーーーーーい

魂抜かれますね。
キケン。
チョン・ウソン、カッコよすぎ。(笑)

とにかくこの予告編で使われている音楽聞くためだけに、このOST持ってる意味あります。
素晴らしい高揚感。









この曲を、映画オリジナル曲だと思っている人も多いのですが、映画音楽監督のタルパラン(달파란)さん曰く、この音楽はキム・ジウン監督が自ら「アニマルズの‘ Don’t Let Me Be Misunderstood’のこの部分を編曲して欲しい」と指示され、要望に沿って編曲したものなのだそうです。
邦題『悲しき願い』というこの曲、オリジナル曲はニーナ・シモン。
フラメンコギターのサウンドから、映画はサンタ・エスメラルダのリメイクバージョンを使用しているのではとの説も見かけましたが、聞き比べたところ違う編曲でした。

いずれにしても、この『グッド・バッド・ウィアード』のOSTバージョンが一番カッコイイ! それは間違いない!(笑)

ちなみに映画音楽監督のタルパランさんの最近のお仕事は『毒戦』。
めっちゃかっこ良かったですよね~、『毒戦』の音楽。

・・・・・・って、一体何の話してたんでしたっけ?!(笑)


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いやはやすっかり本題から外れ、大変失礼いたしました。

真面目なチョン・ウソンさんを見てたら、ついついワイルドな魅力を掘り起こしたくなってしまいました。(笑)

35歳の時にあれで、11年後の今はこれ。
チョン・ウソンさんの経ている過程って、すごく素敵です。

近々またソウルに行くので、その時見てきたいと思っています。

日本にも入ってくるといいですね。