みなさま、こんにちは。

①に引き続き、2019年の韓国映画観客動員数TOP11~20までの作品をご紹介してまいります。


せっかく10位に入ってたのに、12月19日公開の『白頭山』に押し出され惜しくも11位となったのは、ユ・ヘジンさんとユン・ゲサンさんが共演したこちらの作品でした。







惜しい~~!
本当に惜しかったです、『マルモイ』!

今年の1月9日に公開された『マルモイ』は、追って1月23日に公開された『極限職業(邦題:エクストリーム・ジョブ)』に押され、完全な苦戦を強いられましたが、それでも2,866,453名と健闘。
本当は400万くらいはいって欲しかったですけどね。
いや、せめて300万はいって欲しかったですけども。

『マルモイ』は日本帝国による朝鮮植民地統治が始まった1910年以降、朝鮮語を奪われまいと研究者らが密かに編纂した初めての現代朝鮮語辞典の原稿のことです。意味は「言葉集め」もしくは「言葉を集めたもの」。
1911年より資料が集められ始めたものの研究者の亡命や死亡により出版できず、1929年に原稿を受け継いだ朝鮮語学会が朝鮮語辞典編纂会を組織するのですが、朝鮮語辞典編纂会議の発起人108人を民族主義者と規定した日本帝国側が、「独立運動を目的とする民族主義団体」と規定するでっちあげ事件を起こして会議を弾圧。逮捕者や犠牲者を出すのですが、映画は事実を基に朝鮮語を守ろうとした人々の奮闘を描いています。

侵略戦争を拡大していく中で弾除けとして朝鮮の人々を組み入れるために日本帝国がしたことの大きな柱が、朝鮮語を禁じて教育の場から奪うことと「創氏改名」、つまり民族の名前を奪うことでした。ちょうど今年が100周年でしたが、朝鮮の人たちは1919年3月1日に素手で銃剣を手にした日本帝国の官憲に立ち向かい、独立万歳を叫びました。それまでは銃剣で弾圧していた官憲は、3・1独立運動以降は朝鮮の精神を根絶やしにし、日本人化することで統治しようと方針を変えます。神社をあちこちに建て参拝も強要しました。勿論、従わない者は容赦なく殺しながら。
名前も言葉も民族の魂をも根こそぎ奪われそうになる中で、危険を承知で抗い続けてくれた人々に、感謝と共に頭が下がる思いです。

・・・・・・などと書くととても深刻そうな映画に思われそうですが、映画自体は実はかなり軽快な雰囲気。
こんなに軽い調子で大丈夫なのかと途中で心配になるほどです。(笑)
というのも、編纂事業のリーダーであるユン・ゲサンさん扮するリュ・ジョンファンと、ユ・ヘジンさん扮するコソ泥前科者キム・パンスがどのように出会い、信頼関係を結んでいくのかに、大きなウエイトが置かれているんですよね。
私などは、二人がいがみ合っているシーンでも「ほんとは仲いいくせにぃ♡」とつい思ってしまったり。
あれですね。バラエティも見すぎるとこういう弊害があるんですね。
『三食ごはん』を通じて得てしまった情報が、ちょいちょい俳優さんたちが本業で頑張っている時に首をもたげてきて困ります。(笑)
ちなみにこの映画もオム・ユナさんという女性監督です。
オム・ユナ監督、『タクシー運転手』の脚本を書いた方だったんですね!
今回はこれが初監督作品です。素晴らしい!



続いて12位は、こちら。








チョン・ウソンさんとキム・ヒャンギちゃんの『証人』。

あー、これは本当にTOP10に入って欲しかった~!

2月13日に公開され、観客動員数は2,534,748名。

なんとこれ、日本で公開が決まっているのですね!

『無垢なる証人』というタイトルで、来年の1月24日からロードショーとのこと。

嬉しすぎるのでリンクを貼っておきます。
コチラが日本公式サイトです。

この映画は本当にお勧めです。
チョン・ウソンさんはアクションなしで普通の人を演じても素敵でした!(笑)
ちなみにこの映画は百想芸術大賞映画大賞、チョン・ウソンさんは青龍映画賞主演男優賞を受賞しています。



続いて13位。






きたわね、『サバハ/娑婆訶』。

って13位ですけどね。(笑)

2月20日公開、2,398,519名動員。
この映画も青龍映画賞音楽賞を受賞してますね。
納得です。二度と聞きたくない。あの音楽怖すぎる。(笑)
『サバハ/娑婆訶』も過去記事で取り上げています。(コチラ
私はこの映画はオカルト映画としてかなり高評価なのですが、問題はあれです。
怖くて2度見れないとこ。(笑)


そして14位。






『タチャ(イカサマ師):ワン・アイド・ジャック』(邦題仮)。
9月11日公開、2,229,239名動員。
パク・チョンミンさん、リュ・スンボムさんらが主演されています。
すみません、私は見ていないので、これ以上何も言及できません。
9月公開のこの映画、存在すら知りませんでした。
全部韓国検察のせいです。いえ、マジで。(笑)
やっぱり文化芸能を楽しむには、平和が大事。民主主義が守られるの、大事。心の安寧が、大事。



15位。
下半期の私の1押し作品、『ブラックマネー』。







これですよ、「アナ雪2」に阻まれた秀作は!
劇場寡占、反対~!!

チョ・ジヌンさんとイ・ハニさん主演のこの映画は、李明博時代に実際にあった米ローンスターの韓国外換銀行KEB売却事件をモチーフとしており、『国家が破産する日』と合わせて見るべきIFM由来の巨大金融詐欺疑惑を描いたバキバキに骨太な映画なのですが、11月13日に公開され順調に200万まで観客動員を伸ばしていたところへ「アナ雪2」が上陸!
シネコンのスクリーンをえげつない勢いで「アナ雪2」が独占したおかげで一気に見られる場所がなくなり、結果観客動員数2,478,221名に留まりました。

これ、どー考えても400万はいく映画だったのに!!
チョ・ジヌンさんが反骨の映画監督チョン・ジヨンさんと一緒に私が毎日欠かさずチェックしている大好きな朝のラジオニュース番組『キム・オジュンのニュース工場』になんと出演してくれたんですよね。心底心躍りました。「チョ・ジヌンさんじゃなくてイ・ハニさんに来て欲しかった」などとキム・オジュンさんに無礼なことを言われて「見えるラジオ」なのも忘れ思いっきりむくれたり。(笑)
「400万人超えたらイ・ハニさんを連れてくる」という言葉に「本当にニュース工場にイ・ハニさんが来るかも!イ・ハニさんから芋づる式にユン・ゲサンさんが来る日があるかも!」と欲深いリスナーという名の私は一人小躍りしたものですが、約束も虚しく250万に届かない結果となってしまいました。
このせいで、「アナ雪2」を全く見る気がしない私です。(笑)


続けて16位。





『神の一手:キス編』(邦題仮)。
クォン・サンウ主演。キム・ソンギュンさん、ウ・ドファンさん、キム・ヒウォンさんらが出演しています。
11月7日公開。2,156,011名動員。現在も上映中。
内容は、囲碁の話?
淡白ですみません。見ておりません。多分見ない気がします。クォン・サンウファンのみなさま、本当にごめんなさい。(笑)



17位。








1月9日公開の『僕の中のあいつ』。1,917,999名動員。
B1A4のジニョン君とパク・ソンウンさんが主演しています。
日本でも『僕の中のあいつ』というタイトルで8月9日に公開されていたのですね!

これは一体なんで200万近く入ったんだろうと首を傾げたくなる映画ですが、ジニョン君、意外にチケットパワーあるんですね!
私もこれは見たのですが、フツーに面白かったです。
どこかで見たような、どこかで聞いたような、が連続する何の新鮮味もない映画なのですが、懐かしの『転校生』ばりにジニョン君とパク・ソンウンさんの魂が入れ替わるというベタな展開の中、思いがけないところで爆笑を誘ってくれます。それもちょっと「ずるい笑い」を。(笑)
ラ・ミランさんが出演されているのですが、ジニョン君の体に入ってるパク・ソンウンさんとラ・ミランさんのやり取りが、ほんとにずるい。ずる過ぎる面白さ。
そんな筈じゃなかったのに、声上げて手を叩いて笑ってしまいます。
ええ、ベタなんですけどね。(笑)
そして、『雲が描いた月明かり』で分かってはいましたが、ジニョン君、本当に演技がお上手です。



そして18位!







きましたー、ペンバン!

1月30日に公開された『ひき逃げ専門捜査班/뺑반』は1,826,912名を動員。
主演はチョ・ジョンソク、コン・ヒョジン、リュ・ジュンヨル、監督は『チャイナタウン』のハン・ジュニさんです。
この映画も『スピード・スクワッド ひき逃げ専門捜査班』というタイトルで12月13日から日本公開が始まっているのですね!
確かにこのメンツですので、日本公開も頷けます。

ただ内容的には・・・・・・ああ、言いたい。でも言えない。でも言いたい。でも言えない。
でも言いますけどちょっとだけ。(笑)
チョ・ジョンソクさんの病的な演技は神がかりな域なのですが、ストーリー、演出共にちぐはぐなところがあって、集中力をそぐのが残念でした。
頑張ってる俳優さんたちがまるで空回りしているかのような、演出の拙さが随所で悪目立ちしている映画でした。

・・・・・・あ。ちょっとだけと言いながら、結局言いたいことを言ってしまいました。
ごめんなさい。(笑)


19位は、この映画。







8月21日公開の『変身』。

1,804,112名動員。

ペ・ソンウさん、ソン・ドンイルさんらが主演したスリラー映画、だそうです。

すみません。私は見ておりませんのでスルーさせていただきます。


そして最後、20位は、『ガール・コップス』でした!







ラ・ミランさんとイ・ソンギョンさんが刑事役でタッグを組んだこの映画、他に少女時代のスヨンちゃんとユン・サンヒョンさんが出演されてます。
観客動員数は1,804,112名。
180万人を超えたなら、この映画としては上出来ではないでしょうか。
内容的にはやっすーい感じですが、チープな映画も決して悪くはないですよね。気晴らしになったりと。
この映画も来年3月に日本でDVDが出るようですね。
ユン・サンヒョンさんのファン向けでしょうか。(笑)
個人的には「少女時代」という看板をどんどん吹っ切っていくスヨンちゃんに「ありのままで」を歌いながらエールを送ってあげたいです。
・・・・・・あれ?アナ雪?
見ない、見ない。アナ雪見るもんか!(笑)

というわけでここまでが今年の映画TOP11から20までですが、いくつかランク外映画もご紹介しておきましょう。



『白頭山』が飛び込んでこなければTOP20入りだったこの映画。







7月31日に公開された『使者』。1,611,163名動員。

この映画をけなしたら、パク・ソジュン君ファンのみなさまに袋叩きに遭いそうですね。

クワバラクワバワ。(笑)

しかも『ディヴァイン・フューリー/使者』との邦題で2020年7月に全国公開が決まっているとか。
とくれば、いよいよ何も言えません。(笑)

この映画は、2017年に観客動員数5位を獲得した『青年警察(邦題:『ミッドナイト・ランナー』)』の監督さんなのですが、2017年のTOP10記事でも書いたとおり、この監督さんは一言でいうと「薄い」。
この映画に至っては漫画っぽい感じなのですが、漫画っぽさをこの際徹底的に追及したらいいのかもしれません、この方は。
基本的な掘り下げが足りないというか、浅くて薄い認識が観客に透けて見えそうな中で物語を組み立ててしまうので、少年少女向けというのか、大人の鑑賞に堪えないというのか。
この映画は特にコミックを映画化したような印象でした。
パク・ソジュンさんのための映画と言われてますが、ウ・ドファンさんも良かったですし、何より一番良かったのは、実は大御所アン・ソンギさんでした。
アン・ソンギさんをキャスティングしたことで救われた映画です。

・・・・・・あ。また言いたいこと言っちゃった。
ごめんなさい。(笑)



次に、映画の完成度のわりに観客動員数が伸びなかったこちらの映画。







ソン・ガンホ、パク・ヘイル主演の『ナランマルサミ/나랏말싸미』。

世宗王が1443年に作った「訓民正音」(ハングル文字)は、1446年に28文字の解説書として残されるのですが、冒頭「ナランマルサミ(国之語音)」で始まる記述があり、映画のタイトルはそこから取られています。

この映画は世宗王が僧侶とともに「訓民正音」(ハングル文字)を作り上げるさまを描いているのですが、たちまち「歴史歪曲」の非難を浴び、観客動員100万にも及ばない958,775万の観客動員に終わってしまいました。
レビューでも大量の最低評価を付けられているのですが、本当に映画を見たとは思えないような人たちが何らかの意図をもって一心不乱に評価を落としているような印象。面白い発想の映画なのに、本当に監督も俳優の皆さんもお気の毒です。
ただ、映画公開直前に主要なキャストであったチョン・ミソンさんが亡くなったのは、興行成績不振の一因にはなったと思います。
とてもいい女優さんで、本作でも世宗王の妻を立派に演じていらしたのに、亡くなられたことが残念でなりません。



他に、『トッケビ』ファンなら食いつかずにおれない、テヒオッパとウンタクが演じる恋愛映画、『ユヨルの音楽アルバム』。







きゃ
テヒオッパ

っていつまでテヒオッパ呼ばわりするんだって話ですが。(笑)

見ましたよ~、これも。チョン・ヘインさんとキム・ゴウンさん主演の恋愛もの映画。

8月28日に公開され、観客動員数1,245,532名を記録。
124万超えでほっとしました。
今年公開された韓国映画のうち、100万以上の動員となったのは29作品。
『ユヨルの音楽アルバム』は動員数23位でした。
あのパク・ソジュン君を前面に押し出した派手派手な『使者』が160万ちょっとですから、それを思うと大健闘ですよね。

・・・・・・え?えこひいき入りましたか?

この映画は、楽しい青春ラブストーリー!な感じではなく、一貫して物悲しいのが予想外でした。
全体的に抑えが聞いているのと、登場人物たちが抱えている静かな悲しみが、結構地味にずっしりきます。
おかげで主人公たちが楽しそうにしていると「このあと絶対不幸がくる」と先回りして悲しんでおきたくなったりして。(笑)
1994年から2005年までの11年間に二人の身に起きる出来事を「ユヨルの音楽アルバム」というラジオに重ねながら描いていくのですが、このラジオ番組、実際に1994年に始まり2007年まで続いたものだそうです。
今みたいに携帯電話やSNS、メールですぐさま連絡が取りあえる状況になかった時代の恋愛を描いていると聞けば、なんとなく『応答せよ』シリーズや映画『建築学概論』を連想してしまいますが、確かにややかぶってる気がしなくもありません。(笑)
一般受けはどうか分かりませんが、テヒオッパとウンタクのリアル恋愛物語が見たかった『トッケビ』ファンの私には、十分満足な映画でした。
そんな理由でご紹介してすみません。(笑)


最後にもう一つ。

11月14日に公開されたキム・ヒエさん主演映画『ユニ(ユンヒ)へ/윤희에게』。







この映画は、今年の釜山国際映画祭で閉幕作に選ばれ、大絶賛を浴びました。
この映画こそは、私も日本で公開されて欲しいと願っています。
というのも、映画は北海道の小樽をメイン舞台にしているからです。
韓国映画というよりも日本映画のような、非常に抑制のきいた演出で、物悲しい陰をまとった女性ユニをキム・ヒエさんが見事に演じています。
日本にも入ってきたらみなさまにも是非見て頂きたいのでネタバレは避けますが、ユニがまとった暗い陰の理由を娘のセボムがひょんなことから解いていくような、そんな内容の映画。
よし、全然ネタバレじゃないぞ。(笑)

この映画は本当に話したくてうずうずしているので、もしかしたらそのうちネタバレありで紹介記事を別途書いてしまうかもしれません。

上映館が少なく、観客動員数も11万5千人ほどとあまり知られていない映画ですが、隠れた名作であることは間違いありません。

以上、今年の映画を振り返ってみました。
みなさまがご覧になられたもの、ご覧になってみたいものはありましたか?
みなさまにもお気に入りの作品が見つかるといいのですが。

ちなみに韓国映画以外だと、私は断然『グリーンブック』が良かったです。
差別される体験をもつ身としては、非常に見るのがつらい場面が多々ある作品ではありましたが、本当に素晴らしかったです。
ネタバレは控えます。まだご覧になられていない方、是非お勧めします。


最後に。

今年もこのブログを訪れて下さり、ありがとうございました。
途中長い間更新が途絶え、ご心配をおかけしましたが、来年もまたマイペースに色んなことを書いていければと思っています。

みなさまにとって良い年が訪れますよう、心からお祈りいたします。
私たちみんなの世界が新しい年も平和であたたかいものでありますことを願ってやみません。

みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください!