みなさま、こんにちは。

あっという間に師走ですね。
世の先生がたは文字通りお忙しく走り回られてるのでしょうか。
でも先生たちは12月以外もお忙しいですよね。

ってほんとにどうでもいいこと呟きつつ、本日もまいります、映画『ソウルの春』続報。
すごくアツイことになっています。

 

 

11月22日に韓国で公開された映画『ソウルの春』。

あれよの間に観客を集め『犯罪都市3』に続く1000万観客動員なるかと囁かれ始めています。

KOFIC(映画館入場券統合電算網)の12月8日公式発表によりますと、前日7日までの観客動員数は547万1695名。
損益分岐点の450万動員をすんなり超え、さらなる記録へと向かっています。

これがなにがすごいって、平日木曜日だった昨日7日の一日だけで20万546名が劇場に足を運んでいるんです。
今週末600万を突破するのは確実視されており、「12.12軍事反乱」が起きた12月12日に向かって客足がさらに伸びるものと予想されます。

19年間に及ぶ過酷な軍事独裁政権による公安統治と恐怖政治が朴正煕の暗殺という形で終わり、やっと民主主義が花開く春が訪れるかと思いきや、「ソウルの春」への期待を80年5月光州市民虐殺で無残に踏みつぶした全斗煥。
映画『ソウルの春』は80年5月の光州事件の前に、空席となった権力の座を奪取すべく軍部内で反乱を起こし実権を握った全斗煥と秘密結社「ハナフェ」による「12.12反乱」と呼ばれる軍部内クーデターを描いています。

快進撃の様相は封切直後から見られていました。
11月22日の封切後、4日目にして100万人突破。
6日目で200万突破。
10日目で300万突破。
12日目で400万突破。
14日目で500万突破。

 

 

 

 

 

(写真はいずれも配給元のplusm_entertainmentのインスタグラムより。リンクはコチラ

 

喜びを爆発させる俳優陣と監督。そしてもうお分かりかと思いますが、その中に我らが悪役専門俳優、キム・ウィソンさんの姿も。

公開日翌日の11月23日に、自身のインスタグラムにキム・ウィソンさんはこう投稿されていました。

 

映画『ソウルの春』が昨日封切られました。
12.12軍事クーデターを素材にした映画です。
歴史的にも必ず取り上げるべき重要な事件をしっかりと描いた映画であり、映画としても尊敬するキム・ソンス監督のすべてが込められたとてつもない映画だと思います。
ありがたくも私もキャスティングされ、一生懸命演じました。

今日は軍事クーデターの主役、全斗煥が残念ながら自然死した日です。

ともあれ、『ソウルの春』必ず見てください。
後悔されないと思います。

 

悪役専門だけど、実は正義漢。何度も強調しておかないと誤解が。(笑)
ちなみに今回も相当な悪役っぷりだそうです。

前回予告編をご紹介した時にも、全斗煥が死んだ日の前の日にわざとぶつけて公開したという説がまことしやかにささやかれていると書きましたが、キム・ウィソンさんの文を見るにあながち外れてなさそうですよね。
この輩を持ち上げて追悼するおかしいのが街中を跋扈するのが、昨今の韓国なので。
くさびを打つという気持ち、きっとあったんでしょうね。

公開前、試写を見た映画関係者たちは「40代50代には順当に刺さるとしても、興行的成功は鍵を握る20代30代の支持を得られるかどうか次第」という反応だったと何かの記事で読みましたが、蓋を開けてみたらこの映画を支える観客の半数以上が20代30代。
この事件が起きた1979年12月12日時点で生まれていない人たちでした。

マルチプレックス劇場のCJ CGVの公式ウェブサイトで予約分布表を確認したところ、12月8日付け年齢別分布は20代が25.7%、30代が30%で全体の過半数を占める55.7%に上り、性別では女性の観客が51.9%、男性が48.2%とほぼ変わらない割合でした。

また、特徴的なのが、映画を観た観客によるレビュー投稿。

「心拍数チャレンジ」なるものも登場し、映画を観た後の怒りのボルテージを可視化するちょっとした遊びも広がっています。

以下はオーマイニュース11月29日付「『ソウルの春』上映館10·20代でにぎわう・・・”腹立っても観る” [現場]公開から1週間も経たずに200万 ヒット街道・・・SNSには’ストレス指数チャレンジ’まで」から。

 


(出典元の記事リンクはコチラ

 

面白可笑しくチャレンジに昇華していますが、みんなにも見て欲しいってことですよね、要するに。

「心拍数チャレンジ」もそうですが、映画を観た後の感想、レビューもアツくて、それを見ると「私も早く観に行かなきゃ」という気持ちにさせられます。

12月8日現在、ポータルサイトNAVERの映画観覧者レビューで最も多い15561件の「いいね」をもらっているコメントはこちら。

 

実話を元にした映画だけど、ウソン兄が勝って欲しいと願いながら見た人たちからは超お勧め

 

この映画は「歴史がネタバレ」と言われる実話ジャンルなので、ファン・ジョンミンさん演じる全斗煥/チョン・ドゥファン(劇中名は全斗光/チョン・ドゥグァン)と、軍事クーデターを阻もうと懸命に闘うチョン・ウソンさん演じるチョン・テワン(劇中名はイ・テシン)の戦いの結果はみんな分かって観に行っているのですが、「分かっていてもチョン・ウソンに勝って欲しかった」の声多数。

観客のクチコミはその後の観客動員をかなり左右しますので、最初の1週目のレビューはどの映画でもかなり重要だと思うのですが、この映画は10代から50代以上までの全世代でお勧め指数が9.5以上を記録するなど、初週から尋常じゃない雰囲気を醸していました。

同じくポータルサイトNAVERから口コミ、レビューをいくつかご紹介してみます。

 

知ってはいたものの、ここまでとは知らなかった。勿論ドキュメンタリーではなく映画なので、かなりの部分脚色されてはいるものの、実際の事件の流れを目にするとグラデーションで沸き起こる怒りがハンパナイ。面白いのに頭にくる。マスコミの評価がどうしてこんなにいいのか分かるし、久々に映画らしい映画が見れて嬉しい。週末に両親を連れてもう一回見ようかな・・・。

 

一生分のストレスを今日一気に浴びた

 

観ながら血圧上がって死ぬかと思った。十分止められたと思うと、もっと腹立ってくる。ファン・ジョンミン、チョン・ウソンの演技、最高。主演助演、全員演技がいい。何度も観たくなる映画。

 

歴史を忘れた民族に未来はないので、国民全員に観て欲しい映画

 

ファン・ジョンミン好きなのに。マジで嫌いになる。いやまた好きになる・・・いや嫌いになる・・・なのにいい。

 

映画を見ながら怒りがこみあげすぎて、外に飛び出しそうになった。あの頃の軍隊にハナフェがあったとしたら、検察にはユンチャジャン一味がいる。(注:ユンチャジャンは現大統領を指すあだ名)

 

没入感最高です。結末を知っていても、変わって欲しいと願いながら見てしまう映画。

 

決して来てはいけなかった新軍部の春

 

今年観た韓国映画の中で最高の映画。『内部者たち』のように拡張版の公開を望む映画。あまりに恥ずべき歴史であるし、その歴史が現在も繰り返されているだけに、恥ずかしい歴史がこれ以上繰り返されることがないように・・・。

 

歴史をちゃんと知っていてこそ、繰り返さなくなるだろうに・・・。あんなことをしておいて天寿を全うするとは・・・。恥ずかしいよ、韓国。

 

公開前からとても期待していた映画で、昨日友達と一緒に観ました。結論から言うと、問答無用で見てください。とにかく見てください。絶対に後悔しない映画です。映画が終わっても腹立ちが収まらず、ストレス受けますが、それほどに俳優の皆さんの演技や没入度、演出、OST全てよかったです。特にファン・ジョンミンさんが全斗煥をあまり上手に演じていて、映画の間中こぶしを握り、頭を掻きむしりながら見ました。映画をもっと楽しみたかったので、観る前に「ソウルの春」の背景となった12.12軍事反乱を少し勉強していったところ、さらに面白く、没入感も良かったです。勉強中もすごく腹が立ったのですが、実際に2時間30分間映画を見終えたら、もっと頭にきました。ですがそれは悪い意味ではなく、映画が実際のことのようにあまりに良く作られていて、現実がとてもよく反映されていたので腹が立ったという意味です。実はちょっと泣く部分もありました。こんなことがあったということは知ってはいたものの正確には知らなかったのですが、映画を観た後により正確にこの事件が知れて、良かったです。特別出演された方々も演技がすごく良くて感動しました。機会があればこの映画を必ず見て頂けたらと思います。時間があるなら、有無を言わさず見てください。絶対に後悔しない映画です。今年観た映画の中で一番面白く、没入した映画でした。

 

腹立って頭が禿げそうです

 

軍人から検事へと包装紙が変わっただけの2023年の現実があまりに痛い。

 

それでも全てが崩れ落ちずに今日が存在する理由。依然希望があることを願います。我が国に。

 

変えることのできない歴史の1ページを描いた映画。だからこそやるせなく、無力感と怒りを同時に感じた。新軍部後、民主主義を花開かせるためにどれだけの命が犠牲になっただろう。歴史をまた振り返る契機になった。

 

当時はいまの若者たちと同じくらいの年だったのでここまで深刻な状況とは知らなかったし、言論統制で知りようがなかった。その後光州自体が勃発し、少しずつ露呈したが、あまりのことに呆れ返り血の涙が出る思いで映画の間中ずっと泣いた。この映画は映画ではなく、今の国の姿を赤裸々に見せているし、また予告している。先進国化しグローバル化した今、あの時と同じ痛みを経験してはならない。目を覚ませ!!

 

代表的な感想をピックアップしてみました。
最後の感想を書いた方は、1979年当時に若者だったということなので、恐らく60代以上と思われます。

現在の与党が全斗煥の流れを受け継ぐ政党な上に大統領は「ハナフェ」を彷彿させる検察独裁ぶりなので、そこに結び付けての感想も多く見られます。韓国は現在、政府要職を検察出身者が占めていて、検察からダイレクトに金融監督院長官に就任したり国の放送を認可し統括する放送通信委員長に任命される始末なので、映画を観た人々が現在との連関性を想起し国を案じるのは当然と言えましょう。

映画をきっかけに現代史をしっかり勉強し直そうという動きもSNS上で広まっているのも興味深いところです。

20代30代にとって、1979年12月12日の軍事クーデターとは教科書で1、2行程度触れるだけのもの。
それが、国の運命が変わっていたかもしれない、現在の韓国がなぜこうなのかにもつながる大きな反逆事件だったことを映画を通じて初めて知り、さらに深く知ろうと歴史の流れをまとめたPDFを共有し合ったり、関連する現代史解説動画や映画を探してみる動きが活発化しているそうです。
韓国映画には過酷な現代史をテーマにした優れた娯楽作品がたくさんあるので、映画を題材に現代史の流れを抑えられるのがいいところです。

また、親子で一緒に観に行ったり、当時を知る親が子どもに当時の状況を話して聞かせるなども随所で起きているそう。
あの時代を目撃し生きてきた世代も、本当は色々言いたいことがあるんでしょうね。

さて。最後にもう一つ。

みんなの怒りのボルテージをぐんぐん引き上げ、「殴りたくてたまらない」国防部長官を演じているキム・ウィソンさん。

公開日翌日はわりと真面目なトーンでのインスタ投稿でしたが、最近はまたいつものおふざけモードに。

こちらは12月5日のインスタグラム。

 

 

あの男の一発ぶん殴りたい正面ショット

 

前の日は後ろ姿がアップされてました。シリーズ投稿というところでしょうか。(笑)
同じ写真がフェイスブックにもアップされていましたが、いつものように人々からは「ウソン兄(ヒョン)から一発ミョンジョンセを食らって」、「1000万超えたら、同じく1000万突破した『犯罪都市3』のマ・ドンソクさんからまたミョンジョンセ?」と「ミョンジョンセ」コールが相次いでます。
いまや「ミョンジョンセと言えばキム・ウィソン」というほどの定着ぶり。(笑)
何のことか分からない方のために「ミョンジョンセ」とは「みずおちを思いっきり強く殴りたい」という意味の韓国語の短縮語です。コンユさん主演映画『釜山行き(邦題:新感染エクスプレス)』でのキム・ウィソンさんの悪役っぷりに腹を立てた人々が「ミョンジョンセさせろ」と言い出し、ミョンジョンセがなにかも分からず「1000万超えたらマ・ドンソクにやってもらいます」と公約してしまったことから、キム・ウィソンさんはなにかというとミョンジョンセを要求されるようになってます。それくらい悪役が上手ってことですよね。(笑)

「高いお金を払ってストレス浴びに行く映画」と言われている『ソウルの春』。
「それでもそれだけの価値がある」というのが見てきた人たちの共通した感想です。
「この映画は1000万映画にしなくては」との巷の声も多数聞かれ、実際に2度以上映画を観る「N次観覧」も増えているそう。
実は主演のチョン・ウソンさんが、あれだけのキャリアを持ちながら意外なことに未だ1000万超え作品がないという事実にもスポットが当たり、「チョン・ウソンを1000万俳優に」の掛け声も聞こえ始めています。

是非、いって欲しいですね、1000万。
日本でも早く上映されたらいいですね。