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8 2014年9月
みなさま、こんにちは。
とうとう悲しい展開になってしまいました。
残り4話の『大丈夫、愛だよ』。
本日も第13話、さっそくまいります。
くるくるとは思っていましたが。
実際こられると、相当重いです。
あんなに面倒臭かった痴話喧嘩が、今や小鳥のさえずりのように思えるほど。
ああ、あのどうでもよさに戻りたい。
ため息としゃっくりあげの13話、まいります。
まずは不穏なムード漂うドンミンの診察室を訪れたヘスのシーンから。
いきなりドンミンに「チャン・ジェヨルの具合がかなり悪い」と言われ、狐につままれたようなヘス。
ヨンジンはヘスに重たい事実を告げます。
「私たちが見たところ、統合失調症よ」
面食らいながら、どんな症状が確認されているのかと尋ねるヘスに、ガンウのことは知っているかとドンミンは尋ねます。
たびたび名前を聞くと答えるヘス。そこへテヨンも加わり。
テヨンが着席すると、ドンミンはガンウが幻視だと話を続けます。
自分が確認した限りでは、学校も家も、どこを探してもガンウという人物はいないと口を開くテヨン。今日もジェヨルにガンウの小説を読んでどこにおいたのかと尋ねたが、言われたとおりこの家の引き出しの中をすべて探しても見当たらないのだと。
沖縄旅行の時、ベルも鳴らないのにガンウからの電話だと話し始めたジェヨルを思い出すヘス。
そして、海辺でガンウが事故に遭った夢を見たと震えていたジェヨルのことも。
一方。
そんな話し合いをされているとは知る由もないジェヨルは、ヘスからのメールの返信を見て喜んでいるのですが。
さっき幸せな返信をしたばかりのヘスは、突然振って沸いたジェヨルの病気説をにわかには受け入れられません。それくらいのことでは診断は早すぎると否定しますが、ヨンジンに監視カメラの映像を見れば分かると言われ。
この映像が撮られたいきさつをテヨンから聞いたヘスは、初めてジェヨルからガンウの名を聞いた夜を思い出します。
傷だらけで帰宅したジェヨルは、複雑な家庭事情のガンウを父親の暴力から守るため格闘してきたと答えたのでした。ほうって置けなかったのだと答えていたジェヨル。
人の家のことに首を突っ込むなと言ったヘスに、みんながそう言ったおかげで我が家は世間を騒がす大事態に陥ったのだと語ったあの夜のジェヨルを思い浮かべ、ヘスは泣き出します。
ヘスにジェヨル一家の14年前の事件について話し始めるドンミン。
ジェヨルの義父の死因は放火によるものだったこと。
火を放ったのは乖離状態にいた母だったこと。
何も覚えていない母を救うため、母が犯人だと知っていたジェヨルは仕方なく兄を犯人だとしたこと。
その罪悪感にずっと苦しめられてきたことが発症の要因となっていること。
ヨンジンも分析をつなぎます。
「ガンウはチャン・ジェヨルの子ども時代の投影だと思うわ。でも、ガンウの幻視よりも厳しい問題は、チャン・ジェヨルがガンウを守ろうとして自分を傷つけていることよ。兄に対する罪悪感から、無意識のうちに自分が自傷していることに、本人が気づいていないの」
通常なら、医師であるヘスには統合失調症の可能性が高いことが分かるはずですが、監視カメラの映像を見てもヘスは脳腫瘍かもしれないと疑いを挟みます。
脳が問題ならなぜ3年もの間発病し続けているのか説明できるかと問われ、答えられないヘス。
「私はすぐにでも入院させるべきだと思ってるけど、どう思う? 他に、あなたが確認した無意識による自傷行為はなかった? 程度がひどければ、時間の猶予はないわよ」
ヨンジンの言葉に、ヘスはこれまでのジェヨルの危険行動を思い起こします。
スピードを上げて危険な運転をしたり、沖縄でのジェットスキーの様子、車に轢かれそうになりながら車道に飛び出したり、先日はガンウを避けてヘスを轢きそうになった上電柱にぶつかったジェヨルの姿。
ヘスはそんな現象はないと嘘をついて出て行きますが、ヨンジンはヘスの首筋に緊張による汗が流れているのを見逃しませんでした。
ヘスにジェヨルへのシンパシーが起きているとヨンジン。
「チャン・ジェヨルの治療に加えられないのは勿論、近づけるのも駄目。二人のためにね」
テヨンは自分がジェヨルにガンウが幻視であると伝えると言いますが、むやみに刺激をすればより危険な状態になりうるので、そのことには触れないよう釘を刺すヨンジン。
ドンミンはテヨンにジェヨルの傍にいるよう指示します。
ヘスはガンウの存在を確認すべく、ジェヨルの部屋から電話をかけてガンウの小説がどこにあるのか尋ね。
電話をしながらヘスは、かつてジェヨルの部屋でジェヨルがガンウと電話をしているのを目撃した日のを思い出します。
自分を犯人に仕立てた小説を書いたことを怒っていたジェヨル。目をかけてやったのにとガンウに怒りをあらわにしていたジェヨルは、まるで原稿を握っているかのような手つきをしていたのでした。そして、その原稿を投げつかるかのような仕草も・・・・・・。
ジェヨルはあの時床に投げた後、それを拾って引き出しにしまったと言いますが、当然そこには何も入っておらず。
ヘスははっきりとジェヨルが幻視を見ていると認識します。
ジェヨルに記憶違いではないかと告げ、もう眠いのでと電話を切るヘス。
部屋を出たヘスはドンミンに治療から外れるよう告げられます。
ガンウが罪悪感から生み出されたなら、ヘスとの幸せな時間が訪れるたび、罪悪感が大きくなるとドンミンは説明します。
ヘスはそんなことは知っていると語気を荒げ、なぜ軽微な脳腫瘍である可能性を否定し統合失調症だと決めるのか、自分は統合失調症で見られる職業機能の低下をチャン・ジェヨルに認めていないと反発します。
ありえない。
と思ってしまう視聴者。
ドラマ的な幻覚なので確かに典型的な被害妄想などの症状ではないですが、ここまで状況がそろえば命を危険にさらしかねない一刻を争う状況だと本で聞きかじっただけの素人でも分かりそうなものです。
二人のやり取りを聞き、あの日のカフェでのジェヨルを思い出すスグァン。
ジェヨルは誰かがいるかのように外で話していたのでした。
まさに、ガンウと。
ジェヨルが治るよう祈りをこめてろうそくを灯すヘス。
スグァンはこれまでヘスが無数の統合失調症を煩う患者と家族に言い含めてきた言葉を暗誦します。糖尿病などと同じように、薬をちゃんと服用すれば70%の人は通常の社会生活が可能になると言ってきたのを思い出して欲しいとスグァン。
ヘスは無言のまま部屋に引きこもり。
スグァンはドンミンとの相談のもと、テヨンに代わって自分がジェヨルの部屋に行くことにします。
仕事の邪魔だと不機嫌そうなジェヨルにかまわず、抱きつくスグァン。
ジェヨルのおかげでソニョとうまくいったお礼と言いながら抱きつくスグァンです。
一人眠れぬ夜を過ごすヘス。
自分といると幸福感から罪悪感をより引き起こすといったドンミンの言葉。
これまで幸せだった次の瞬間に危険行為に及んだり、悪夢にうなされてきたジェヨルをはっきりと思い出していくヘスです。
翌日。
出勤したヘスはジェヨルの母にひとりで会おうとしますが、ヨンジンからシンパシー状態にあるのでドンミンに任せるように言われます。
根拠を問われたヨンジンは、自分とチョ・ドンミンに助けを求めないのがその証左だと答え。
二人に助けを求めた時こそ正常に戻ったと言えるとの言葉に、ぐうの音もでないヘス。
一方、スグァンは。
ジェヨルの世話を焼き、朝食をとらせようといたずらをしかけたりしていました。
スグァンに怒りながらも諦めて食事を取ろうとするジェヨルですが、ひとくち口に含んだだけで吐いてしまいます。
ソニョからメールがきたと偽り、ヘスにジェヨルの状態を報告するスグァン。
1時間しか眠れておらず、嘔吐の症状があると伝えるスグァンです。
そしてスグァンはジェヨルを気分転換に連れ出し。
バスケに興じる二人。
バスケを終えたスグァンは、体調が悪いならヘスに助けを求めたらどうかとさりげなく勧めますが、笑いながら自分で解決できるとジェヨル。
いつもそんなふうに何でも自分一人で頑張ってきたのかと尋ねながら、スグァンはパズルを取り出します。
ヘスがジェヨルと初めての夜を迎えたと聞いて、お祝いに用意しておいたのだとスグァン。
そのパズルをバラバラにしながら、スグァンはさりげなく統合失調症の患者の状態をバラバラのパズルになぞらえて話し始めます。
「これは無知な人たちが考える、統合失調症患者の、ヘジンさんの頭の中。こんなふうに心の病いの人たちは頭の中はぐちゃぐちゃで、ゴミ箱みたいになってると思ってるんだ。親のことも愛する人のことも区別できず、人を傷つけても罪の意識も感じないんだろうって。でも俺たちは実際はそうじゃない。殆どの部分は正常で、少しだけ部分的に病気なんだ。そこは認める?」
「うん」
「俺の病気の部分も、これくらい。1年365日のうちほんの数分、数秒妨害されるだけ。ヘジンさんのような統合失調症の場合は、これくらい」
「脳の伝達物質の異常や心に受けた傷のせいで、完全な世界がこんなふうに引き裂かれるんだよ」
組み立てたパズルを脳に見立て、外れたピースで病気の程度を表現してみせるスグァン。
ジェヨルは勿論その意図に気づかず、スグァンの言葉に興味深げに聞き入っています。
「現実と非現実にってこと? そのピースが完全にはまることはあるの?」
本人の意志さえあるならと答えるスグァン。
「不思議だな」
笑みを浮かべるジェヨルに精一杯伝えて去っていくスグァンです。
いいやつ。
泣かせます。
最後までパズルを組み合わせ、写真のヘスにキスして微笑むジェヨルでしたが。
ここで登場するガンウ。
ガンウはスグァンが完成させていったパズルから、ひとピースはぎとり。
残されたジェヨルをうつろに見つめるガンウです。
これは、あれですよね。
ジェヨルは無意識で自分の病を知っていると。
ガンウがパズルのピースをひとつ外したのは、その暗喩ですよね。
一方、まもなく出所するジェボムは。
なにやら白い造花を作っていました。
弟がいなくなったら母が寂しがるだろうから、せめて花でも置いてやるのだとジェボム。
ジェボムは相変わらずジェヨルに復讐するつもりでいるのですが、計画とは裏腹にジェヨルが自分を救おうとした夜のことが思い出されてしまいます。
ここで暴れたら一生刑務所生活を送ることになってしまうとジェボムを押さえ込み、壊した美容院のオーナーに警察に通報しないよう頼んだジェヨルの姿を思い出し、複雑な思いがこみ上げてしまうジェボムです。
一方ヘスは。
ジェヨルの母を家に呼んでいました。
ジェヨルも呼んでくれたことがないのに、ヘスのおかげでこられたと喜ぶ母。
ジェボムの出所に備えて久しぶりに洋服も買えたと嬉しそうな母。
ほどなく現れたドンミンはヘスに席を外させます。
泣き始めるテヨンに驚く母。
ドンミンは母にジェヨルの病状を伝え。
母がつらい話を聞く間、部屋で時を過ごすヘス。
強制入院の同意を取り付けたドンミンは、部屋から出てきたヘスに、原因は仕事のストレスということにしておいたと耳打ちします。
ヘスはジェヨルの母に不治の病ではなくしっかり治療すれば治ると話しかけますが、病気なら治療を受ければいいと気丈に振舞おうにも動揺を隠せない母。呆然とした様子で涙を拭きながら部屋を出て行きます。
テヨンに送ってもらう車中、大丈夫かと尋ねられ、とうとう大声を上げて泣き出す母。
「大丈夫じゃなかったら困るじゃない。夫も死んで、息子が14年も刑務所暮らしになっても耐えられた女なんだから。チョ先生は不治の病じゃないって、治療したら治るって言ったわ」
視聴者も号泣。
その夜。
ヘスはジェヨルに会いに行こうとしますが、会ってなにを言うつもりかと尋ねるドンミンに答えられず。
自分もなにを言えばいいのか分からないのだと、こちらもとうとう大声を上げて泣き出します。
視聴者さらに号泣。
ソファに座らされ、涙ながらにぽつりぽつり話し出すヘス。
「馬鹿みたいよ、自分が。他でもない医者のくせして、16歳の子どもがあんなひどい目にあったのに健全に育つんだって、簡単に信じちゃった。愛してるといいながら、チャン・ジェヨルの心の傷に一度も深く心から共感を寄せてなかった。チャン・ジェヨルが苦しい過去の胸のうちを打ち明けた時、お兄さんの話をした時も、私は本当に共感してたのかって疑わしい。つらかったね、くらいは言ったけど、本心では自分は医者だもの、これくらいどうってことない、私って理解力あってかっこいいでしょ、くらいに思ってたはず」
「チャン・ジェヨルが私と寝た時に悪夢にうなされるのも見たのに、その時もこの人は強いから、自由だから、きっと克服できる。それはあなたの課題って、向き合っていなかった気がする」
自分を責めるヘスに、向き合っていなかったのではなく、チャン・ジェヨルを信じていたんだろうと慰めるドンミン。
「医師としても、恋人としても、落第よ。私は生まれた時から利己的な女。でも、強制入院だけは避けたいの」
少しでも、病気を自発的に認識して治療に望んで欲しいヘスですが、ドンミンは難色を示し。
スグァンもヘスを抱きしめ、ジェヨルのもとへ送り出します。
ヘスが去った後ジェヨルの様子を聞かれ、非常に悪いことを伝えるスグァンです。
ジェヨルの家では。
母がジェヨルに電話をかけていました。
仕事はいいから、とにかく実家に来いと何度も繰り返す母。
母と話しながら、やってきたヘスを歓迎するジェヨル。
ヘスの暗い表情には気づいていません。
母はもうお金も要らないし、自分のために小説を書かずにご飯も食べて休んで欲しいと懇願します。
咳き込みながら電話で話すジェヨルを背中で観察するヘス。
バスルームに置いてあるニューヨークヤンキース4番のキャップが目に入ります。
指がしびれたような仕草を見せるジェヨルの姿に、以前ガンウの症状だとジェヨルが話していたのを思い出すヘス。
ヘスが来たとの言葉に電話を切る母の傍には、テヨンが寄り添っていました。
何も食べないジェヨルの母にりんごをむくテヨンですが、母はその手を払いのけ。
食べるのを見ないと安心してジェヨルのところにいけないというテヨンの言葉に、怒ったように無理やりりんごを口につめる母。
ほどなく母は嗚咽を漏らします。
ヘスの訪問を喜ぶジェヨルとともに、静かなひと時をすごすヘス。
ジェヨルはヘスの送った、51%落ちたとのメールの言葉も、ヘスの残した痕跡としてメモ書きし、貼り付けていました。
ヘスコレクションを増やすべく、ヘスの手足も写真に収めるジェヨル。
写真を撮ってもらいながら、ジェヨルの病状を反芻するヘスは、さっきから気になっていたことを口にします。
「ねえ。ヤンキースの背番号4番の打者だったヘンリー・ルイス・ゲーリック、知ってるの?」
「知ってるさ。最初にルー・ゲーリック病(ASL)に罹った人じゃない。君こそどうして知ってるの? 野球好きなの?」
「神経科について勉強してる時に習った。あなたこそどうして?」
「本で読んだんだったかな。よく分からない」
ヘスは浴室でジェヨルの無精ひげを剃り始めます。
もし仮に病気になって入院したら、一番なにがつらいかと尋ねるヘスに、小説を書けないことと答えるジェヨル。書けなくても自分は変わらず好きでいると応じるヘスに、ジェヨルはいつになったら愛してるというつもりかと軽い調子で尋ね。
「とにかく、書けなくなったチャン・ジェヨルは、チャン・ジェヨルじゃないんだよ」
ジェヨルはガンウの事を聞かれ、連絡が来ないと言います。
「電話もとらないし」
「心配なんだね」
「あいつ、死んじゃう気がする。公募にも落ちたし、病気なんだ」
「病気は大丈夫って言ってなかった?」
「嘘ついてるんだよ。あいつ、ルー・ゲーリック病なんだ。病院の前から電話してきた時、暗い顔してた」
「病院に一緒に行ったの?」
「いや。俺は君と一緒だったから」
「どうして病院の前でガンウが暗い顔してたって分かるの? まるで映画や小説を見るみたいに」
ヘスの言葉に固まるジェヨル。
「ガンウが一人でいる時のこと、確かになんで分かるんだろう?」
髭をそり終えたヘスは、ジェヨルにシャワーを浴びるよう言います。
その時、家の前にいるとテヨンからジェヨルにメールが入り。
テヨンが本当に邪魔だと愚痴るジェヨル。
当直なので明日また会おうと部屋を出ようとするヘスを引きとめ、重たいだろうけど狂おしいほどヘスを愛しているんだと思いを伝えるジェヨル。ヘスは弱い笑みを見せて出て行きます。
ジェヨルがシャワーを浴び始めたのを確認し、用意してきたUSBにジェヨルの小説を保存するヘス。テヨンに電話をかけ、今から会おうと言い。
何も知らずシャワーからでてきたジェヨルは、久しぶりにガンウからの電話を取ります。
「ガンウ。よかった。心配してたんだ」
何も答えないガンウに声をかけるジェヨル。
「絶対一人だなんて思うなよ。お前の傍には俺がいるから。いいな?」
今日もガンウの様子が手にとるように見えてしまうジェヨルです。
そしてヘスは。
テヨンにジェヨルの書きかけの小説を見せていました。
小説の内容が、ジェヨルがかつて書いたものを全くそっくり焼きなおしたものになっているとテヨン。新しいものはひとつもないと。
思い起こせば、ジェボムにフォークで刺されて以来そうなってしまったとテヨンは言います。通常なら8ヶ月で書き上げるところを、2年もかかっていること。さらに自分で自分の小説を剽窃していることにも気づいていないようだとのテヨンの言葉を重く受け止めるヘス。
ヘスはテヨンに、ジェヨルの傍を片時も離れないで欲しいと頼みます。
翌日。
ヘスはヨンジンにジェヨルの状況を報告します。
「これ以上現象学的に確認すべきことはないわ。睡眠障害。食事障害。作家として文章が書けなくなっているのは明らかに機能の低下。それに、いまさら気づいてお粗末だけど、これまで無意識の自傷行為、何度もありました。怪我をほうっておいたり、自分を危険にさらしたり。自殺のシナリオもはっきりしてる」
「自殺?」
「書くことがすべてのガンウがルー・ゲーリック病に罹ってる。作家デビューできないことを苦に極端な行動にでるって信じてるの。答えは分かりきってる」
「愛するあなたを置いて無意識的に死にたがっている心理については、どう理解したの? 認めるのがつらかったと思うけど」
「愛する私を置いて死のうとするのは、問うても意味がない。明らかな病気だから。チャン・ジェヨルは病気なの。それが私の医師としての結論」
ヨンジンはジェヨル自身が病気を認識できない現状ではジェヨルを徐々に入院へもっていくのは無理だと話します。強制入院しか方法がないとの言葉にヘスは同意し、まずは入院させて薬物で落ち着かせようと応じます。折を見て電話をすると続けるヘス。
入院の手はずを整え、救急車を待機させておくと伝えるヨンジンです。
こうして入院に向けて動き出す周囲。
ヘスからの電話を受け、テヨンは編集長とともにラジオ局を訪れます。ジェヨルが病気で仕事出来なくなったと局側に伝え、泣き崩れる編集長。
そして病院にはジェヨルの母が呼ばれ、明るく安全な個室でジェヨルが治療を受けると説明を受けます。
トイレでしか眠れない息子を心配する母。入院は数ヶ月も何年もかかるのかと案ずる母に、ヨンジンはふたつき程度だろうと伝え。
ヨンジンはチャン・ジェヨルの医療チームに正式にドンミンを迎えます。
今回のケースは他のケースよりもはるかに厳しいものになるだろうと挨拶するドンミンです。
一方。
一人寂しく出所して来たジェボム。
家の近くの川を見ながら、また少年時代の疎外感を思い出しています。
ジェヨルと母が二人きりで楽しそうに水を掛け合っていたあの日。
そしてそんなジェボムを悲しく見つめる、傷ついたガンウ。
かくして訪れた、ジェヨルを入院させる夜。
ちょうどシャワーを浴びたばかりでタイミングが絶妙だと、ヘスの訪問を喜ぶジェヨル。
隣りに座ろうとするジェヨルを立たせたままにし、なぜそんなにかっこいいのかなどと軽口をたたくヘス。
折りしも電話が鳴り、救急車を待機させてあるがいつ出発したらいいかと尋ねるヨンジンに、後で電話をすると答え。
嬉しそうにヘスに腕を伸ばすジェヨル。
「愛してるよ」
「もうちょっとだけ、こうしてよう」
涙を隠してジェヨルを抱きしめるヘスで、ラスト。
うーーーん。
重い。
とても重たい入院前夜。
しかし先に言っておきますが、14話はさらに重いです。
どよーーーん。
まぁ、ドラマなので。
実際の統合失調症急性期の典型的な症状はなく、いかにもフィクション然とした幻視が登場しますが。
脚本家が望んだように、このドラマを通じてみた人がこの病気に関する理解を深め、患者さんたちへの偏見を取り除くことはできているのでしょうか。
そんなことが本格的に気になりだす13話。
今のところ、ジェヨルの心の傷に見ている者が共感しながら近づけるという点では、うまくいっている気がします。パズルを用いた説明も、とてもよかったですよね。
知らない=偏見や差別に簡単につながり、実際に多くの人がスグァンの説明したような思い込みにとらわれているだろうことは容易に想像できます。そして、もしかしたら患者自身も。
偏見や差別を内面化していると、いざ自分がその病気に罹患した時に認めるのがさらに難しそうですよね。
近しい人の偏見も大きく治療の妨げになる病気ですが、その意味ではジェヨルには心から心配してくれる人がまわりにたくさんいるのが、まだ救いです。
いやあ。なかなかに重いドラマ。
13話以前の内容を忘れてしまいそうになっています。(笑)
いいドラマなのですが、この重たさがもしかしたら視聴率が伸びない要因かもしれないと思ったりも。
視聴率20%台を取れるつくりではないですし、取らなくて全然構わないですが、ウェルメイドな精神医療ドラマとしていつかは多くの人に見てもらえたらなと、そんな気がし始める13話でした。
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